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『美しい胸の女性』、宗教改革博物館に

アフリカのマスクや古文書などの収集家として知られれるバルビエ・ミュラー氏は古い聖書やフランス王の手書きの手紙を、宗教改革博物館に寄贈した ( 写真提供 :  宗教改革博物館 )

(International Museum of Reformation, Geneve)

ジュネーブの「宗教改革博物館 (International Museum of the Reformation )」が「欧州評議会 ( CE ) 博物館賞2007」を昨年12月に受賞。授賞式は今年4月にストラスブルグで行われる。

同賞のトロフィーはミロの作品『美しい胸の女性』の胸像。「厳格な宗教改革の推進者、カルヴァンの像を横に並べるつもりです」と語るのは女性館長、イザベル・グレスレ氏。

 2005年に開館したばかりの宗教改革博物館は1年目にして、すでに予想の2万5000人を超える入場者を迎えた。ドイツのルター博物館を除くと、宗教改革を歴史的に分かりやすく解説するヨーロッパ唯一の博物館。ヨーロッパ文化遺産の理解に貢献した美術、博物館に贈られる「欧州評議会博物館賞」を受賞したのも頷ける。

暖炉に隠された聖書

 「先日、当館を訪れた女性が涙を一杯ためて、プロテスタントでありながら歴史をほとんど知らず、ここにきて自分がプロテスタントであることを再認識したと言ってくれました。ヨーロッパのみならず、アメリカ、韓国のプロテスタントの信者が多く訪れます。彼らにとってはほとんど本山のような役目も果たしています」とグレスレ氏。

 宗教博物館なので、畏怖感を与えたくないと願う館長。子供用に楽しい工夫が色々なされている。17世紀、プロテスタントを認める「ナントの勅令」が廃止され、フランスのプロテスタントは隠れキリシタンのような生活を送った。暖炉の下に隠された聖書。それが取っ手のようなものを回すと暖炉の下からすっと現れる仕掛けは魔術のようで面白い。

 カルヴァンの後を継いだベーゼが細かい書き込みを入れた聖書。ルターがジュネーブから来た使者に書いた手書きの言葉。16世紀を通じてのフランス王たちの手書きの手紙。そんな「生きた」資料も歴史をほうふつとさせる。

 「大きなうねりとしての16世紀から20世紀に至る宗教史をみならが、同時に細かい逸話、お話を味わって欲しいのです」とグレスレ氏。

 各部屋はその機能をそのまま保ちながら同時に各世紀の特徴を展示する。サロンは、カルヴァンとルターの言葉がオーディオで流れる。図書室には、16世紀のカルヴァンの聖書と当時の生活。食堂にはカルヴァンからルソーに至る牧師、哲学者の名前の入った皿が並べられ、あたかも「予定説」を討論しているかのような展示。

 隣は、18世紀のプロテスタントの生活。19世紀は歴史を掘り起こした世紀。カルヴァンも英雄としてもちあげられ大きな肖像が飾られている。こうして、各部屋を観た後は、まるで宗教を通してざっと西洋史を眺めたような感覚が残る。

カルヴァンから多様な宗教の共存へ

 ヘブライ語で書かれた聖書を直接フランス語に訳して説教したというカルヴァン。ヘブライ語やギリシャ語で書かれた聖書は、当時ごく一部のインテリのものだった。だから民衆は教会のいいなりになったという後悔がカルヴァンにあった。

 カルヴァンは27歳で聖書をラテン語に訳し、死の4年前にはフランス語訳も完成させた。大学など教育機関も充実させたという。

 「でも、カルヴァンのインテリで厳格な面だけでなく、ペストや毒を盛られるのを怖がり、胃が悪くておいしいものが食べられないのを後悔する、そんな人間的な面も伝えたい。生誕500年に当たる2009年には、何か記念行事をしようと思っています」とグレスレ氏。

 博物館の地下は、20世紀の部屋。そこには、プロテスタントの賛美歌や、仏教の読経の声、コーランなどがオーディオで流れる。「プロテスタントはまずカトリックと共存し、さらにあらゆる宗教と共存していこうとしています。そのためにこの部屋をもっと充実させたいと思っています」と「生きている博物館」をめざすグレスレ氏は熱っぽく語る。

swissinfo、 里信邦子 ( さとのぶ くにこ )

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宗教改革博物館はジュネーブ旧市街のサン・ピエール聖堂の隣に位置するマイエ邸の中。
住所 : 4, rue du Cloître, CH-1204 Geneva
開館 : 火曜〜日曜、10時〜17時
入場料 : 10フラン ( 約960円 )

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