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「EURO2008」ファンにベッド貸します

「sleep-in」EURO2008、最大の宿泊施設の提供者 sleep-in.ch

欧州サッカー選手権「EURO2008」ではスイスが、「ホストの達人」に成り代わろうとしている。試合の行われる都市周辺では1月初旬時点で、個人の家を開放する人が名乗りを上げ、すでに1万9000人のサッカーファンを受け入れる用意ができている。

このサービス「sleep-in.ch」の主催者は、オーストリアよりスイスがより良いホストであることを目指すという。

 「EURO2008は、民族をつなげる大祭典。外国から訪れる人たちと交流し友情を結ぼう。短期間でも一緒に生活してみよう。家族的雰囲気の中での受け入れが理想。そうすれば、お互いに外国の習慣も知ることになるだろう」。宿泊施設を提供するsleep-in のモットーだ。オーストリアには「sleep-in.at」というサービスもある。

オランダ人はキャンピング好き

 sleep-in.ch広報担当のパトリック・チャン氏によると、ベルンではキャンピング場やファン-キャンプだけで1万5000人を収容するという。オランダの試合があるため、キャンプ好きのオランダ人を考慮した。そのほか、現在までの受け入れ人数は、バーゼル1159人、ベルン1087人、チューリヒ1086人、ジュネーブ391人に達した。

 宿泊料金は提供者が自由に設定できるようになっているが、高額料金を要求する人は非常に少ないとチャン氏は言う。重要なのは、間借りのルールを守ること。アパートの賃貸者でも部屋を間借りとして提供する人がいるためだ。
「厳しいことを言えば、家賃に見合った料金であるべき。貸す人が儲けようとすべきではない」
 とベルン賃借人協会のレグラ・ブリュッガー氏はいう。平均的料金は1泊100フラン ( 約9700円 ) 。これを機会に儲けようとする人を避けるため、目安の料金を設定した。しかし、無料で部屋を貸し出し、例えばイタリアからのファンなら代償にサラミなど物品を要求する人もいるという。

オーストリアは冴えない

 オーストリアといえば、ホストとしてヨーロッパ1親切な国として有名だ。しかし、sleep-in.atでは現在のところ約6000人の受け入れしかないという。オーストリアにはペンションが普及していることが理由として挙げられるとチャン氏はみる。

 不当な料金を要求されることのないよう、sleep-inでは以下のようなアドバイスをしている。
「フェアプレーであること。ホストであり客であるという立場を忘れない。客を客として扱い、客はホストを尊重すること。すべての面で嘘の表示をしないこと。こうしたことが欠けると、双方の雰囲気が悪くなる。客とホストが前もって知り合うことが大切。信頼が生まれることでが、楽しいEURO2008の基本だ」

 sleep-inの主旨は理解されているようで、フランスからは次のような応募もあった。
「ぼくたちは2人の少年で、フランスチームを応援にスイスに行きたいと思っています。たくさんのパーティーに出て、スイスのことを知りたいです。ぼくたち2人は優しい少年で、麻薬はやりません。話し好きです。EURO2008ですばらしい経験をしたいと思っています」

swissinfo、ジャン・ミシェル・ベルトゥ 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 訳

6月7日から29日まで。
スイスでは、バーゼル、ベルン、ジュネーブ、チューリヒの4都市で、オーストリアでは、インスブルック、クラゲンフルト、ザルツブルク、ウィーンの4都市で合計31試合が展開される。決勝戦は6月29日、ウィーンで行われる。
スイスチームはバーゼルで試合。
スイスの予算は1億8210万フラン ( 約176億6000万円 ) と見込まれる。政府の援助は8278万フラン ( 約80億3000万円 ) 。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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