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2月24日の国民投票、戦闘機の騒音と法人税の減税

戦闘機の公害は、騒音のみならず、CO2ガスなどの多量の空気汚染も見逃せないという Keystone

今回の国民投票は、戦闘機の騒音に反対するイニシアチブと、政府提案の法人税改正案に反対して起こされたレファレンダムを国民に問うもの。

このコンテンツは 2008/02/19 15:25

昨年10月の総選挙で新しく選出された連邦議会議員と新内閣発足以来の国民投票として注目されている。

国民投票の第1項目は、戦闘機の騒音のせいで、観光地における住民の心痛のみならず、観光客も減るというので提出されたイニシアチブ。第2項目は、長年にわたって中小企業側から求められていた減税案を受け、政府が提案した法人税改正案に対し社会民主党(SP/PS )が反対し、レファレンダムで国民の是非を問う。

騒音に対して何らかの対策を

「戦闘機が通るたびに、幼稚園の児童が泣き叫ぶ」
とヴァレー州シオン (Sion) のNGO「ラ・ル・ボル ( Raz-le Bol ) 」のクロード・ブルカン氏。現在スイスではこのシオン と、ベルン州のマイリンゲン ( Meiringen ) 、ヴォー州のパイエルヌ ( Payerne ) の3カ所に軍の戦闘機離着陸の飛行場がある。

マイリンゲン の近く、ブリエンツ湖のほとりにあるブリエンツ ( Brienz ) は観光ガイドにも「旅情のある町」と記され、古い民家が立ち並ぶ。1960年代には夏のバカンス時に飛行訓練停止があったが、
「今は週末を除いて朝8時半から夕方5時まで絶え間ない「戦闘機F/A-18」の騒音で電話もできないし、1度来た観光客もまた来ることはない、子供たちも故郷を離れて行く」
とブリエンツ観光協会長のペーター・ヒュッグラー氏は訴える。

ヒュッグラー氏もシオンのブルカン氏も
「決して軍に反対しているわけではない。ただ、訓練の数を減らしたり、何らかの対策を求めているだけだ」
と主張している。

このイニシアチブに対し、政府と連邦議会は国民が反対するよう薦 めている。政府側は、戦闘機の訓練は国の安全対策に欠くことのできないものであり、また週末の訓練停止や、夜間の例外的飛行も22時以降は飛ばさないようになど、今まですでにかなりの対策を行ってきたと主張している。

第2の項目、法人税の減税

国民投票の第2項目は、中小企業を優遇する、減税を目的にした法人税改正案の是非を問うもの。スイスでは全労働人口の半数以上が中小企業で働いており、その数は200万人以上に及び、スイス経済の根幹を成すものだ。

政府は国際経済の中でのスイスの経済活性化を促進するため、1999年に立てた経済方針ですでに、法人税率の引き下げを行うと明言していた。

今回の改正案は、この経済方針に則り、企業に対し利益税と配当税の二重の税負担を解消。資本のリスク回避と投資促進を目的に州税における利益税を資本税として申告するように各州に働きかける ( 連邦税では資本税はすでに廃止 ) 。さらに企業の再編の際にかかる税負担や権利譲渡税の控除の、以上大きく3つを主要とする改革となった。

しかし、社会民主党はこの改正案に反対を表明し、国民の是非を問うレファレンダムを起こしたため、今回の国民投票となった。
「国民の1%にも満たない少数派が優遇されるだけで、本来優遇されるべき中産階級や低収入層の労働者を無視した不公平な改正案だ」
と社会民主党の上院議員アラン・ベルセ氏は反論している。

さらに社会民主党はこの改正案で、9億フラン ( 約900億円 ) の税収入の減収と老齢年金 ( AHV/AVS ) の1.5億フラン ( 約150億円 ) の減収を指摘している。

これに対し政府側と右派政党は、初期の段階では確かに起こるこうした減収も、長期的には経済の活性化で補完されるだろうと反論し、この改正案を強く支持している。

swissinfo、里信邦子 ( さとのぶ くにこ )

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