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2004年スイスの失業者数

スイスの「ハローワーク」では仕事の斡旋のほか、失業者保険の支払い手続のため失業者が定期的に出頭することを義務付けている。 Keystone

連邦経済省経済管轄局(SECO)が7日に発表した雇用統計によると、04年のスイスの失業率は前年より0.2ポイント上昇し3.9%だった。失業者数は153,091人で前年より7,404人増加した。

この一年間の動きを見ると1月には16万8千人だった失業者数が、7月末には14万3千人と目だって減少した。その後やや増加したものの、昨年の失業率は年初の4.3%から12月末には3.9%となり、やや抑えられた。

景気がやや上向いてきたにもかかわらず、その影響が雇用市場にまではっきりと反映されないでいる。また、15歳から24歳までの青年の失業者数は28万人で03年より2千人増加した。また、青年の失業率は全体の18%を占めており、若い人の就職難が問題として指摘された。

稼働率が上昇し時短が減少

 04年11月には、前月より587人(+25%)多い2,933人が労働時間の短縮を強いられた。時短を行ったのはスイス全国で236社と10月より21%増加した。時短の総時間は168,572時間で10月より19.3%増加したものの、03年は労働時間の短縮を強いられた人は7,567人、時短を行った企業は668社、時短の総時間は424,605時間で04年より多かった。04年11月の時短が前年同月比で大幅に減少したのは「企業の稼働率が高まっているため」とSECOの広報担当者アンティエ・ベルチ氏は語る。

失業保険の状況

 2004年の失業保険基金は22億フラン(約1,980億円)の赤字を計上した。失業保険の総収入は53億フラン(約4,770億円)と前年より11億フラン(約990億円)減少。収入源として最も割合の高い保険料収入は、44億フラン(約3,960億円)と前年の56億フラン(約5,040億円)を下回った。一方、総支出額は75億フランを計上し、前年同月の72億フラン(約6,480億円)より増加した。 
 保険料収入の減少の理由として前出のベルチ氏は「スイス国内経済がやや上向いていても、雇用市場にまで良い影響が反映されるに至っていない。スイスとの経済関係が密接なEU諸国の景気の回復もまだ弱い」からと語った。

長期失業者

 最高520日間(土、日を除く)支払われる失業保険が切れた人の数は、10月に3,415人だった。このうち14%の人が就職したものの、残りの人たちは失業したままだ。失業率の統計上は今後、このうち52%の人が失業統計から外される。

swissinfo  佐藤夕美 (さとうゆうみ)

04年12月の失業率4%, 失業者数158’416人
04年の失業率3,9%, 前年比0,2ポイント上昇

失業率が戦後最高値をとなったのは1997年で5.2%だった。
その後2001年半ばに6万7千人まで減少するが、再び増加している。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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