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2022年技能五輪国際大会でスイスが好成績

ルツェルンで10月に開催された技能五輪国際大会(WorldSkills Competitions)のパティシエ・製菓部門で金メダルを獲得したジュリアナ・トゥニーさんes
ルツェルンで10月に開催された技能五輪国際大会(WorldSkills Competitions)のパティシエ・製菓部門で金メダルを獲得したジュリアナ・トゥニーさん © Manu Friederich

27日にオーストリアで幕を閉じた2022年技能五輪国際大会(WorldSkills Competition)で、スイスの若き職業訓練生たちが金5個を含む19個のメダルを獲得した。スイスはメダル獲得数で3位の好成績を収めた。

スイススキルズ代表チームのマルティン・エルラヒャー団長は、swissinfo.chに書面で「スイス代表の55%以上が表彰台に上がった。スイスよりメダル獲得率が高かったのは中国と韓国だけだ」とコメントした。

全体的にスイスチームは「非常に高いレベル」で競技したという。

スイスは、メダル16個を獲得したフランスを抑えて欧州でトップに立った。2024年大会はフランスで開催される。

大会最終日にザルツブルグで行われた職種競技で、スイスチームには金メダル1個(レンガ積み部門)と銅メダル3個が加わった。

技能五輪国際大会のザルツブルグ会場で行われた最終競技の1つ、レンガ積みで金メダルを獲得したベン・ザウグさん
技能五輪国際大会のザルツブルグ会場で行われた最終競技の1つ、レンガ積みで金メダルを獲得したベン・ザウグさん WorldSkills

今年は特別開催

今大会は新型コロナウイルスの影響で当初の中国開催が中止になり、9月から11月にかけて世界15カ国での分散開催となった。全62職種のうち、スイスでは一国で最多の13職種の競技が行われた。

パンデミック前の19年にロシア・カザンで開催された前回大会でも、スイスはメダル16個を獲得して中国、韓国に次ぐ3位に入賞した。ロシアは今回の参加を辞退した。

スイスは今大会、34職種37人の若きプロフェッショナル(全員が22歳以下)を送り出した(一部は2人1組で参加)。スイススキルズによれば、全員が非常に厳しい訓練を積んで大会に臨んだ。

今大会には58カ国から1千人以上の若者が参加し、大工などの伝統的な職業からクラウドコンピューティングに至るまで、合計62の様々な職種で知識や技能を競った。

スイスの職業技能をアピール

技能五輪国際大会と、その姉妹大会である欧州地域選手権(EuroSkills)はスイスにとって重要なイベントだ。スイスの職業技能をアピールする最適な場になるからだ。

スイスの見習い研修制度は、職業訓練の「最高基準」として国際的に取り上げられることも多い。訓練生は研修先の企業で有給で実習を受けながら、週に1~2日職業訓練学校で理論を学ぶ。

スイスでは、義務教育を終えた15~16歳の若者の約3分の2が職業訓練を選択する。大学入学資格を取得できる普通高校への進学という選択肢もある。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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