スイス連邦経済省経済管轄局(SECO)は8日、2018年の失業率が前年より0.6ポイント低い2.6%だったと発表外部リンクした。
このコンテンツが公開されたのは、
各地域の職業紹介所に登録された失業者は前年比17.5%少ない計11万8千人だった。「スイス経済が好調で、労働市場も良い状況にあることを示す」(SECO)内容だ。
失業率は長らく3%前後で停滞していたが、17年5月から低下傾向を辿った。18年は特に年前半に低下が進んだ。11~12月はやや失業率が上振れた。
年末時点の失業者は11万9661人で、前月末より8.3%多かったものの、17年末比では18%強少なかった。
だがSECOは今年初め、低い失業率には但し書きがついていると述べた。スイスの職業紹介所から自動的に情報収集する新システムが、予想を超える失業率低下をもたらした可能性があるという。
2018年のスイス経済は特に前半好調だったが、6~9月期は予想外に減速。国内消費が弱まり、最大の貿易相手国であるドイツ経済が振るわなかったことも響いた。
SECOは18年の経済成長率は2.6%となり、9月時点の予想2.9%を下回ったと見ている。
≫国際通貨基金(IMF)の成長率見通しは
連邦政府は19年の成長率見通しをこれまでの2%から1.5%に引き下げた。2020年は1.7%に上向く見通し。SECOは今年の失業率が2.4%、来年が2.5%になると見ている。
続きを読む
おすすめの記事
リーマン・ショックから10年 金融立国・スイスの傷が浅かった背景は?
このコンテンツが公開されたのは、
米国第4の投資銀行が破綻したのは2008年9月15日。サブプライム・ローンで膨らんだ不良債権を処理できず、米政府は公的資金の注入を拒否。連鎖破綻を恐れて金融市場から資金が干上がり、銀行業界は大混乱に陥った。米国発の危機…
もっと読む リーマン・ショックから10年 金融立国・スイスの傷が浅かった背景は?
おすすめの記事
スイスの中高齢失業者、正規の再雇用13.9%
このコンテンツが公開されたのは、
好調を示すスイス経済の裏で、中高齢者の雇用情勢は悪く、失業した中高齢者は再就職に苦労していることがわかった。フランス語圏の日刊紙ル・マタン日曜版が報じた。
もっと読む スイスの中高齢失業者、正規の再雇用13.9%
おすすめの記事
スイスの建設業界 「失業者ファースト」で国内雇用を守れるか
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの建設業は失業率が全国平均より高いのに、外国人労働者の雇い入れが増えている。政府は実質的に国内雇用を優先する「失業者ファースト」を掲げ、7月から「求人申告制度」をスタートさせる。これが問題解決の一助となるか、はたまた行政手続きの負担が増えるだけなのか。業界で意見が割れている。
もっと読む スイスの建設業界 「失業者ファースト」で国内雇用を守れるか
おすすめの記事
季節失業者をなくせ スイスの観光業界がワークシェア制度
このコンテンツが公開されたのは、
「夏は湖、冬は雪山」。スイス東部グラウビュンデン州と南部ティチーノ州は3年前、このようななスローガンを掲げて共同で実験事業を始めた。その狙いは、観光関連で働く人を「シェア(共有)」し、ピーク時の人手不足や閑散期の失業を解消することにある。
もっと読む 季節失業者をなくせ スイスの観光業界がワークシェア制度
おすすめの記事
「外国人労働者は現地の低賃金雇用奪う」はウソ スイス調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの外国人労働者は、移住してから5年後にはスイス人の収入を上回ることが最新の調査で分かった。「外国人労働者の賃金は低い水準に張り付き、潜在的にスイス人から低賃金雇用を奪っている」という社会通念を覆す結果だ。移民の入国を制限しようとする議論に影響を与えそうだ。
もっと読む 「外国人労働者は現地の低賃金雇用奪う」はウソ スイス調査
おすすめの記事
減少続くスイスの銀行数 17年は9行が撤退
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは2017年、外国銀行の支店を含め9行が国内から姿を消した。20年前には400行以上を誇っていたが、今や残るのは253行だ。
もっと読む 減少続くスイスの銀行数 17年は9行が撤退
おすすめの記事
グローバル化の恩恵が最も大きかった国はスイス
このコンテンツが公開されたのは、
1990年代以降のグローバル化により、スイスが世界で最も大きな利益を得たことがドイツの民間機関の調査で明らかになった。日本は2番目に大きく、成長率著しい中国やインドではグローバル化の恩恵は小さかった。
もっと読む グローバル化の恩恵が最も大きかった国はスイス
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。