スイス国立銀行(中央銀行)のトーマス・ジョルダン総裁は、フラン相場のイタリア選挙後の高騰や世界的な貿易戦争の脅威を背景に、政策金利の引き上げを検討するのは早すぎるとみている。
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ジョルダン総裁は8日、インターラーケンで開かれたスイス経済フォーラムでCNNマネー・スイスのインタビュー外部リンクに応じ、利上げは「現時点では全く早すぎる」と断言。「 (為替)相場の動きを踏まえると、現状は依然としてかなり脆弱だ。スイス中銀がマイナス金利政策を継続する理由はそれだ」
ほとんどのアナリストは、ロンドン銀行間金利(LIBOR)3カ月物が年内は足元のマイナス1.25%~マイナス0.25%の間で動かないと予想している。ジョルダン総裁の発言は、スイス中銀が金利をプラス圏内に引き上げるまで時節を待つという一般的な予測を裏づけた。
フランの対ユーロ相場は、4月に一時1ユーロ=1.20フランを下回ったものの、イタリアの政治的混乱を背景に1.15フラン台まで値上がりした。 3月の選挙から連立政権の樹立まで2カ月以上を要し、欧州の政治・財政への懸念が広がったためだ。
不安定な欧州の見通し
反体制的なイタリアの新連立政権は当初、欧州連合(EU)離脱を掲げて統率を図った。ジョルダン総裁は同インタビューで、イタリアの離脱は「とてもとても起こりそうにない」と考えていたと明らかにした。
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2015年1月のマイナス金利政策の導入以降、スイス国立銀行(中央銀行)は現金を金庫に眠らせる国内銀行に30億フラン(約3400億円)以上を課してきた。
超法規的な政策金利はこの数年、伝統的な投資に対し大きな損害を与えてきた。銀行や保険会社、資産管理会社や年金基金などが保有する国債がその代表だ。
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