米国史上最大の詐欺事件の1つ、アレン・スタンフォード事件をめぐり、スイスは被害者に弁済するための凍結資産2億ドル(約230億円)を米国に返還している。
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦司法省が28日明らかにした外部リンク。一部は既に返還済みで、31日までに残りの1億5千万ドルを米当局に支払う。
米投資会社を経営していたアレン・スタンフォード氏は2001~08年、「ポンジ・スキーム」と呼ばれるネズミ講に似た手法を使って数千人の投資家から総額70億ドル以上を騙し取った。米当局に09年に逮捕され、12年に禁固110年の有罪判決を受けた。同氏の資産は没収され、被害者に弁済されることになった。
米国での訴訟中、スイス司法省はスタンフォード氏がスイスに持っていた銀行口座に関する文書を米当局に引き渡すなど検察側に協力。有罪判決が下されたのを受け、資産の差し押さえを命じた。
2019年に米国で没収判決が確定したのを受けて、同省は凍結資産の返還を銀行に命じた。今年10月16日、これに対する上訴がスイス連邦刑事裁判所に却下され、資産の返還が始まることになった。
続きを読む
おすすめの記事
コロナ詐欺、引っかかりやすいのは誰? スイスで研究
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行でインターネットでのやりとりが増えたのに乗じたオンライン詐欺が広がっている。1カ月前に立ち上がったスイスの摘発サイトは、既に200件以上のコロナ詐欺を発見した。多くは価格の吊り上げや偽物の販売だ。
もっと読む コロナ詐欺、引っかかりやすいのは誰? スイスで研究
おすすめの記事
スイスを震撼させた8つの「スパイ事件」
このコンテンツが公開されたのは、
米独の情報機関がスイス製暗号機器を使って世界各国の機密情報を秘密裏に収集していたというスキャンダルが浮上した。
もっと読む スイスを震撼させた8つの「スパイ事件」
おすすめの記事
スイス銀行の秘密主義はゴーン口座を守るのか
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの銀行は顧客の情報を国家権力にも明かさないことで知られ、世界中から資産を集めて金融国家にのし上がった。そのスイスが今、日本の経済界を揺るがした大スキャンダルの捜査協力に乗り出している。秘密主義の看板は10年前に下ろされたが、スイスの秘匿体質は本当に変わったのか?
もっと読む スイス銀行の秘密主義はゴーン口座を守るのか
おすすめの記事
スイス検事総長が史上初の弾劾に?FIFA汚職で
このコンテンツが公開されたのは、
国際サッカー連盟(FIFA)の汚職捜査をめぐり、連邦議会は20日、スイス連邦検事総長のミヒャエル・ラウバー氏の公聴会を開くことを決めた。議会司法委員会の決定次第では、初の高官の弾劾となる可能性が出てきた。
もっと読む スイス検事総長が史上初の弾劾に?FIFA汚職で
おすすめの記事
コロナ融資詐欺?スイス州検察が捜査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部・ヴォー州の検察庁は、新型コロナウイルスに伴う政府の緊急融資を不正受給したとして、詐欺・資金洗浄(マネーロンダリング)などの容疑で捜査を始めた。検察は、約150万フラン(約1億6500万円)が国外に送金されたとみている。
もっと読む コロナ融資詐欺?スイス州検察が捜査
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。