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スイス、2百億円超を米国に返還 スタンフォード詐欺事件で

Allen Stanford
2009年に逮捕されたアレン・スタンフォード氏 Keystone / Aaron M. Sprecher

米国史上最大の詐欺事件の1つ、アレン・スタンフォード事件をめぐり、スイスは被害者に弁済するための凍結資産2億ドル(約230億円)を米国に返還している。

スイス連邦司法省が28日明らかにした外部リンク。一部は既に返還済みで、31日までに残りの1億5千万ドルを米当局に支払う。

米投資会社を経営していたアレン・スタンフォード氏は2001~08年、「ポンジ・スキーム」と呼ばれるネズミ講に似た手法を使って数千人の投資家から総額70億ドル以上を騙し取った。米当局に09年に逮捕され、12年に禁固110年の有罪判決を受けた。同氏の資産は没収され、被害者に弁済されることになった。

米国での訴訟中、スイス司法省はスタンフォード氏がスイスに持っていた銀行口座に関する文書を米当局に引き渡すなど検察側に協力。有罪判決が下されたのを受け、資産の差し押さえを命じた。

2019年に米国で没収判決が確定したのを受けて、同省は凍結資産の返還を銀行に命じた。今年10月16日、これに対する上訴がスイス連邦刑事裁判所に却下され、資産の返還が始まることになった。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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