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Made in Switzerland ~伝統と高品質を守り続ける製品~

スウォッチ・クリスマス限定バージョン(1991年)のHocus Pocus。 swissinfo.ch

まずは、クイズにチャレンジ!○○○にはいる適当な言葉は?
「パテック フィリップ」「オーデマ ピゲ」「ヴァシュロン コンスタンタン」と言えばスイス生まれの高級○○○のブランドである。

 すぐにピンと来た人はかなりの愛好家だろう。正解は「腕時計」。今回はスイスを代表する腕時計を始め、私のお気に入りのスイス製品をご紹介しよう。

 さてスイス製高級腕時計といえば、日本人の頭にすぐ浮かぶのは「ローレックス」や「オメガ」「ロンジン」「ラド-」と言ったところだろうか。冒頭にあげた3つのブランド名は全く聞いたことがないという人も多いのでは?実は私もその一人だったのだが、先日、某時計博物館に行って初めてこれらのブランド名を知った。実はスイス時計業界において、これらは「ローレックス」や「オメガ」をはるかにしのぐ「世界の三大超高級腕時計」のブランドなのである。

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 ちなみに「オーデマ ピゲ(創業1875年)」や「ヴァシュロン コンスタンタン(創業1775年)」は、500~800個もの部品で組み立てられた超複雑時計と呼ばれる機械式時計が有名だ。一つ一つの部品を手作業で組み立てるため、年間の製造個数がわずか数個という。「オーデマ ピゲ」のホームページ(右リンク参照)で、機械式時計の製造工程がショートムービーになっているので是非見て欲しい。“時計師”と呼ばれる彼らは、紛れもなく“伝統職人”であり、0.01mm単位の緻密な作業を数時間もしつづける集中力と、その情熱には本当に感動してしまう。

 また「パテック フィリップ(創業1839年)」は、ヴィクトリア女王、アインシュタイン、キュリー夫人、ワーグナーといった世界中の著名人をはじめ、大正天皇、昭和天皇も顧客だったそうだ。2010年にジュネーブで行われたオークションでは、当社の機械式腕時計(1943年製)が史上最高の高値(約5億2200万円)で落札されたというから、その芸術的価値の高さに驚く。ちなみに時計産業が盛んだったジュネーブ地方にはパテック フィリップ・ミュージアムをはじめ、たくさんの時計博物館があるので興味のある人は是非訪ねてみるといい。

 残念ながら私は高級時計とは未だ全く縁がないが、こちらに来てからいつのまにかスイス製の腕時計が増えた。現在愛用しているのは「ティソ」と「スウォッチ」だ。「ティソ」は手頃な値段でデザインもシンプルなものが多く、時代・世代を超えて使える点がいい。老舗ブランドのなかでは最もポピュラーで売り上げは世界No. 1だそうだ。そして日本でもお馴染みの「スウォッチ」は新しいモデルが毎年2回発売され、クリスマス限定バージョンを買い集めているコレクターもいる。デザインや色が豊富で値段も手頃なので、アクセサリー感覚で買っているうちにいつのまにか増えてしまい、現在私の手元には7個ものスウォッチがある。

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 腕時計の他に、身近に愛用しているスイス製品は「カランダッシュ」の銀製ボールペン。(カランダッシュとはロシア語で「鉛筆」という意味)スイスに来た時に義父からプレゼントされたのだが、適度に重みがあってとても書きやすい。銀製アクセサリー用の特殊布で磨けばいつでも新品同様ピカピカによみがえるので、暇なときにせっせと磨いている。好みの字体で記念日やネームの刻印も可能なので贈り物にはもってこいだと思う。使い続けているうちに何ともいえない愛着が生まれるし、コマメに手入れをすれば一生使える。

 最後にスイス製自然派化粧品の代表格「ヴェレダ」を紹介したい。「ヴェレダ」は1921年にオーストリア出身の思想家ルドルフ・シュタイナーが医師達と協力して開発した化粧品で、スイスのアーレスハイム(Arlesheim)という小さな町で誕生した。どの商品も合成保存料、着色料、香料等は一切含まず、有機栽培された植物成分を使って作られているので、とても肌にやさしいつけ心地だ。ほのかに香るアロマも癒し効果大!最近発売されたザクロのボディオイルは特に気に入っている。ザクロのエキスは肌の新陳代謝を高める効果があり、Öko test と呼ばれる化学物質の体への影響や、自然環境への影響を調べる商品テストでも「Sehr gut( とても良い)」を獲得した。他にも白樺や野バラのローション、クリーム、シャンプー等、色々とそろっている。現在では世界50ヶ国以上の国々で販売され、日本には東京と神戸に直営店がありインターネットでも注文できるので、お肌の敏感な方は一度試してみてはいかがだろう。

森竹コットナウ由佳

2004年9月よりチューリッヒ州に在住。静岡市出身の元高校英語教師。スイス人の夫と黒猫と共にエグリザウで暮らしている。チューリッヒの言語学校で日本語教師として働くかたわら、自宅を本拠に日本語学校(JPU Zürich) を運営し個人指導にあたる。趣味は旅行、ガーデニング、温泉、フィットネス。好物は赤ワインと柿の種せんべいで、スイスに来てからは家庭菜園で野菜作りに精をだしている。長所は明朗快活で前向きな点。短所はうっかりものでミスが多いこと。現在の夢は北欧をキャンピングカーで周遊することである。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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