スイスの視点を10言語で

アフリカ大陸に位置するヨーロッパの飛び地

スペインとモロッコの間の国境にある、タラハル国境検問所に人があふれ返る。スペイン国境警備員と警察官たちは警戒態勢を強めている。ここ数カ月、何百人もの移民が、モロッコ北部にあるスペインの飛び地、セウタへ押し寄せてくるからだ。

国境を通過できた人は、仮の収容施設に運ばれ、そこで移民審査を受ける。通過できなかった人は、次のチャンスを待つ。

いったん欧州連合(EU)との境界が超えられた移民は、7番のバスに5分ほど乗ってセウタの中心地に行く。大理石が敷かれ高級ブランド店が並ぶその町並みに、あまりに大きな貧富の差を思い知らされる。

港では難民がスペイン行きのフェリーを眺めている。フェリーに乗る旅行者たちが2001年に建設された8キロに及ぶ防壁を見ることはない。これは密入国者が国境を越えられないように、モロッコとの国境線に沿って造られた。3700万フラン(約42億円)かかった防壁建設に欧州連合から補助を受けた。
.
飛び地セウタではいろいろな取引が行われ、それを税関の役人が見てみないふりをする。

(写真と文: オリビエ・フォーゲルサンク、2013年)

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部