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リビア紛争の勃発以前、カダフィ前政権のもとで何千人もの政治犯がリビアの首都トリポリにあるアブサリム(Abu Salim)刑務所に収容された。写真家ペーター・ピュンテナー氏は悪名高い同刑務所の内部に足を踏み入れ、独房や当時の政治犯の姿を写真に収めた。

アブサリム刑務所から受刑者が解放されたことは、リビアの独裁政権の終わりを告げる出来事としてとりわけ象徴的だ。同刑務所では1996年、劣悪な環境の改善を求めた受刑者に対し軍が虐殺を行い、1200人が犠牲になった。その後、犠牲者の家族を代表する弁護士が拘束されたことがきっかけとなって、リビアでは革命が勃発。革命が起きてから10日後、何千人もが政治犯としてアブサリム刑務所に強制収容されたが、すでに政治犯用の収監施設はいっぱいだったため、軍用の収監施設に拘束された。反逆の疑いで拘束された人たちは、意思に反する誓いに無理やり署名させられた。もしそれを拒否したならば、手足を縛られたまま鉄棒から吊るされ、殴られるなどの拷問が待ち受けていた(写真:ペーター・ピュンテナー)

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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