英俳優のロジャー・ムーアさんが今月23日、スイスの自宅で他界した。過去にスイスに移り住み、スイスと深い関係で結ばれていたムーアさんは、映画「007」のジェームズ・ボンドさながらスイスでウィンタースポーツを楽しみ、スイスアルプスでの生活を満喫していた。(SRF、swissinfo.ch)
このコンテンツが公開されたのは、
なぜムーアさん一家がスイスに移り住むことになったのか。ムーアさんは2007年に放送されたスイス公共放送のインタビューで、子どもたちがスイスでスキーを習いたいと強く要望したからだと答えている。また自身を「子どもに甘い父親」とし、「英国を離れる理由が出てくるのを待っていた」ことを認めている。
ムーアさん一家はグシュタードに数年住んだあと、クラン・モンタナへ引越した。フランス語が堪能で、山の暮らしを気に入っていた。スイスで撮影され1985年に公開された映画「007 美しき獲物たち」ではそのスキーの腕前を披露している。
(英語からの翻訳・大野瑠衣子)
続きを読む
おすすめの記事
有名スイス人道化師、ディミトリさん死去
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで最も有名な道化師ディミトリさんが19日、80歳で死去した。何十年もの間パントマイムをはじめ、さまざまな曲芸で観客を笑顔にさせてきたディミトリさん。彼は同時に、優れた画家であり、歌手でもあった。
年齢をもろともせず、常にディミトリさんは舞台の上に立って離れ業を披露してきた。大きく横に広がった口の中に卓球のピンポン玉をたくさん詰めて見せては、子どもたちを笑わせた。
ディミトリさんが亡くなったのは19日夜。ディミトリさんの娘がイタリア語圏スイス公共放送(RSI)に対し明らかにした。
ディミトリさんの本名はディミトリ・ヤーコブ・ミュラー。スイス南部のティチーノ州アスコーナで幼少期を過ごした後、陶工の職業訓練を受ける傍ら演劇と曲芸を学んだ。その後、パリでパントマイムや綱渡りの技を取得し、スイスのサーカス団「クニー」に参加。団員として世界を巡業した。
ディミトリさんは天分豊かな画家そして歌手でもあった。友人のロベルト・マッジーニさんと共にティチーノ州の伝統的な歌を演奏してみせた。また1970年に妻と共同でティチーノ州ヴェルシオに劇場を、75年には演劇学校を設立。78年には自身のオリジナル作品を演じた。
昨年秋に行われたスイスインフォの取材に対し、ディミトリさんは「今、健康であり、世界で最高の職についている。私は運がいいのだと思う」と言い、毎日3時間の練習と、舞台の数をこなすことを心掛けていると話していた。また死に対する恐怖があることを認めた上で、死ぬこと自体よりも、病気や苦しみなどを想像すると怖くなると説明した。あの世があると信じ、ディミトリさんはこう話した。「死後、身体はうじ虫に食べられてしまうが、私たちは無形で存在し続けると信じている」
もっと読む 有名スイス人道化師、ディミトリさん死去
おすすめの記事
H.R.ギーガー・ミュージアム、平坦ではなかったこれまでの道のり
このコンテンツが公開されたのは、
スイス人アーティストH.R.ギーガーさんが他界してから3年。映画「エイリアン」でアカデミー賞視覚伝達効果賞を受賞し、世界的に有名となったギーガーさんの作品は、彼の死後も中世の香りが漂うグリュイエールの町に残る。作品が展示されているH.R.ギーガー・ミュージアムは、今ではこの町になくてはならない存在となっている。(SRF、swissinfo.ch)
ハンス・ルドルフ(ハンスリューディ)・ギーガーさんは、1979年公開の映画「エイリアン」に登場する地球外生命体エイリアンのデザインとセットを手掛けたほか、人間と機械が融合した「バイオメカノイド」と呼ばれるスタイルの彫刻、絵画、家具のデザインでもよく知られている。
グラウビュンデン州クール出身で、移り住んだチューリヒで人生の大半を過ごした。その後、同名のチーズで知られる町グリュイエールを作品の「居場所」として選んだ。
グリュイエールにあるサン・ジェルマン城で1998年に開館し、ギーガーさんの作品を最も多く所蔵するH.R.ギーガー・ミュージアムは現在、ギーガーさんの2番目の妻、カルメン・シェイフェレ・ギーガーさんが管理している。
もっと読む H.R.ギーガー・ミュージアム、平坦ではなかったこれまでの道のり
おすすめの記事
映画「エイリアン」のスイス人アーティスト H.R.ギーガーさん死去
このコンテンツが公開されたのは、
ギーガーさんは1940年生まれで、スイス・クール出身。チューリヒで建築と工業デザインを学んだ。1960年代頃からイギリスのロックバンド、エマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)をはじめとする音楽バンドのレコードジャ…
もっと読む 映画「エイリアン」のスイス人アーティスト H.R.ギーガーさん死去
おすすめの記事
チャップリンの素顔、キャラクター「小さな放浪者」が明かす
このコンテンツが公開されたのは、
チャーリー・チャップリンのトレードマークは、ちょび髭、山高帽にステッキ、がに股歩き。この特徴あるキャラクター「小さな放浪者」が誕生して、今年は100年。世界中で記念行事が開催される中、チャップリンが晩年を過ごしたスイスでは、ローザンヌ・エリゼ写真美術館が、彼の新たな側面に光を当てながら、その生きた時代も感じ取れような大規模な展覧会を開催している。
もっと読む チャップリンの素顔、キャラクター「小さな放浪者」が明かす
おすすめの記事
映画
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの映画、各種映画祭、スイスの監督、俳優、過去の受賞作品、そして世界的に有名な映画の舞台となったスイスの撮影スポットの数々を紹介する。
もっと読む 映画
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。