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クリプト社のスパイ疑惑、スイス検察が捜査終了

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クリプト社のスパイ行為は1970年代から少なくとも2018年まで続いたとされている。100カ国以上がターゲットになった Keystone / Ennio Leanza

スイスのクリプト社が不正な暗号化デバイスを製造し、米中央情報局(CIA)のスパイ活動に加担していたとされる疑惑で、スイス連邦検察は捜査の結果、同デバイスの輸出許可申請において違法行為はなかったとし、捜査を終了した。

検察庁が21日、スイスの通信社Keystone-SDAの取材に回答した。同事件を巡っては、スイス連邦経済省経済管轄局(SECO)が2月中旬、被疑者不明で刑事告訴していた。

捜査では、クリプトの輸出許可申請書に隠ぺい・虚偽の記載があったかに焦点が当たった。スパイ活動については捜査の対象外だった。

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このコンテンツが公開されたのは、 米独がスイスの暗号機メーカー「クリプト」を利用したスパイ疑惑(クリプト事件)を、政府の諜報機関は当時から認識しており、さらにその恩恵を受けていた――スイス連邦議会の調査により、こんな事実が明らかになった。

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検察庁は、没収された暗号化デバイス約400台の返却を命じた。

スイス公共放送は11月末、クリプトのほかにもオムニセックと呼ばれるスイス企業が外国の情報機関の影響下にあり、製造した不正な暗号化デバイスを公的機関や銀行大手UBSなどに売却していたと報じた。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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