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スイスのワクチン証明書は6月末開始、政府が詳細発表

空港の利用者
政府が予定している新型コロナウイルス感染症ワクチン接種証明書は、渡航制限や大規模イベント規制の緩和を目的としている Keystone / Alexandra Wey

スイス連邦政府は19日、6月末までに利用可能になる新型コロナウイルス感染症ワクチン接種証明書の詳細を公表した。

政府によると、ワクチン証明書は接種を受けた人のほか、新型コロナウイルス感染症から回復した人、直近のPCR検査で陰性反応が出た人が対象。紙・デジタル版で発行する予定。

アラン・ベルセ内相は19日の会見で、証明書は義務ではないが、スイスがコロナ危機から脱する一助になる、と強調した。

証明書は来月7日から段階的に発行を開始し、遅くとも6月末には広く利用が可能になる見通し。計画の実施については、来月11日から審議にかけられ、18日に最終決定する。

政府はワクチン接種証明書の実施期間を一時的なものとする意向だ。ベルセ氏は会見で、「どうしても必要な期間だけにとどめる」と強調した。

証明書の適用範囲に関しては、複数の規定を設けた。ナイトクラブやディスコの営業再開、大規模イベント開催時は証明書の提示が求められる。バーやレストラン、フィットネスセンターでの提示は任意とし、日常生活に密接にかかわる公共交通機関、店舗、職場、学校は対象から除外する。

また、多くの国が入国時に証明書の提示を義務付けることが予想される、としている。

欧州連合(EU)も現在、ワクチンパスポート「デジタル・グリーン証明書」の導入に向けて準備を進めている。スイスはEUと連携を図っており、渡航制限の緩和にはワクチン証明書が大きな役割を果たすことになりそうだ。国外への渡航は現在、陰性証明提出の義務付けや各国の検疫規制で複雑になっている。

ワクチン、薬開発に予算投入

政府は19日、国内でのコロナワクチンと抗ウイルス薬の開発・生産を促進する総額5千万フラン(約60億円)の助成金プログラム外部リンクを発表した。

ベルセ氏によると、内務省、経済省、財務省が、ワクチン・抗ウイルス薬の長期提供を含め産業界との連携を図ることを目的とした政策文書の草案を作成する。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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