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スイス、電気自動車に接近音の通報装置導入へ

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走行音が静かな電気自動車は、視覚障害者を危険にさらすことがある Keystone

スイスの道路を走る電気自動車は視覚障害者への安全対策として、EU安全基準を採用し、2019年半ばまでに人工的な騒音を出す通報装置を搭載する必要が生じる。ドイツ語圏の日曜紙NZZ・アム・ゾンタークが4日に報じた。

 連邦運輸省道路局の広報官、トーマス・ロアバッハさんは、スイスはこの問題について欧州連合(EU)の安全基準を採用したと発表。防水性の外付けスピーカーを通してエンジン音を人工的に出す音響システムを設置し、ハイブリッド車や燃料電池車の新型車にも適用する。

 同紙によると、いわゆる「車両接近通報装置(AVAS)」が出す騒音は、通常のエンジン音よりも静かだという。

 「我々とって、このシステムの導入は非常に重要だ」と、スイス盲人・視覚障害者連盟のジョエル・ファヴレ氏は同紙に語った。同連盟は更に、走行中だけでなく停車中も通報音を出すという、EUよりもう一歩踏み込んだ安全基準を要求している。

 2017年、スイスの道路上を走る450万台の車のうち、電気自動車はわずか1万5千台、ハイブリッド車は6万7千台だった。政府は温暖化対策の目標達成の一環として、22年までに電気自動車の大幅な増加を推進している。


音のサンプル

数年前、米国でハイブリッド車と電気自動車の接近音に関して同様の議論があった際、米国国道交通安全局はいくつかのサンプル音を開発外部リンクした。このサンプル音は2013年に開発されたものだ。

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(英語からの翻訳・シュミット一恵)

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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