貧困者数削減への戦いスタート
「スイス社会制度会議 」は1月4日、スイスにおける貧困者数を2020年までに半数にするよう訴え、およそ30に及ぶ対策案を提示。また貧困削減には政府の政治的意思が要だと強調した。
これはカトリック系慈善団体「カリタス ( Caritas ) 」が1週間前に行った発表に続くもので、カリタスによるとスイスにはおよそ90万人の貧困者がいるという。
中高年齢者の貧窮
「貧困者数削減は政治的意思の問題だ」と、社会問題を支援する代表団体「スイス社会制度会議 ( SKOS / CSIAS) 」の会長ヴァルター・シュミット氏は述べ、政府に対し、州、市町村、私的団体の対策を統括する役割を果たすよう強く促した。
今回の発表は欧州連合 ( EU ) が2010年を貧困削減の年に指定したことに関連して行われ、スイス社会制度会議 はスイスが2020年までに貧困者数を半減させるための目標を立て諸対策を提示した。
これに対し政府側も貧困対策を模索し、近いうちに具体案を発表する予定だという。政府の調査によると、特に問題なのは長期にわたる失業者で、なかでも中高年齢者の貧窮が2008年で急激に進んでいる。このため、この年齢層をターゲットに社会援助制度と社会保険制度を一体にした対策が必要だとしている。
一方、カトリック系の代表的慈善団体カリタスが先週行った発表によると、スイスにはおよそ90万人の貧困者が存在し、これは国民の約12%に当たるという。シュミット氏は「この数は少しオーバーだ」としながらも、「貧困は普通で、避けられないものだと見なすべきではない」と、貧困への迅速な対策を強調した。
外電、swissinfo.ch
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