スイスの外来治療におけるモルヒネ消費量は、2017年に7割増加した。スイス最大の健康保険会社ヘルサナがバーゼル大学病院と医学薬学研究所と共同で調査を行った。
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フランス語圏の日曜紙ル・マタン・ディマンシュは6日、精神科施設における鎮痛剤の処方増加が、モルヒネ消費の増加の一因であると報じた。従来ヘロインの代用として麻薬中毒者に与えられていたメサドンの変わりに、現在はモルヒネが処方される傾向にある。これはモルヒネなら一部の副作用を回避できるためだ。
同紙また、様々な種類の鎮痛剤となる合法オピオイドの消費も全体的に増加しているとした。
スイスの製薬会社を統括する組織「インターファーマ(Interpharma)」のデータによると、オピオイドの販売は2010年~17年の間に約5割増加し、127万ユニットから182万ユニットに増えた。
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同様の教授職はフランス語圏のローザンヌ大学病院(CHUV)に続き2人目で、ドイツ語圏では唯一。スイスインフォはエイヒミュラー氏が責任者を務めるベルン大学病院緩和ケアセンターを訪れ、話を聞いた。
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