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UBS トップマネージャーにボーナス無し

今後新採用されたボーナス制度は「連邦銀行委員会 ( EBK/CFB ) 」による監査を受ける Keystone

11月17日、スイス最大手のUBS銀行はトップマネージャーたちに今年ボーナスを給与しないと発表した。

UBSのトップマネージャーたちは、過去に毎年数億円に上るボーナスを懐に入れてきた。しかし世論は同銀行に大損害を招いた責任を問い、経営陣にその返却を求めていた。

締役会会長に今後ボーナスは一切支払われない

 UBSの発表によると、現在ペーター・クーラー氏がその役を務める、締役会会長に今後ボーナスは一切支払われないこと、取締役会の経営陣に2008年度のボーナスは支払われないこと、さらに今後ボーナス制度は、まずストックしたボーナス額を成績如何によって差し引いたりした後、数年後に支払う制度を採ることなどを決めた。

 これは、銀行業界の「警察役」である「連邦銀行委員会 ( EBK/CFB ) 」との話し合いの結果、採用された処置だ。

 1カ月前、連邦政府は金融危機で打撃を受けたUBSに60億フラン ( 約4824億円 ) の強制転換社債購入という形での公的資金注入をしたばかりだ。しかしUBSは、昨年44億フラン( 約3537 億円 ) の赤字を計上したにもかかわらず、取締役会の12人の経営陣に総額7400万フラン( 約60億円 ) のボーナスを支払っていた事実が浮上し、世論は経営陣にその返却を強く求めてきた。

 11月9日には、元UBS役員会会長のペーター・ヴッフリ氏が1200万フラン ( 約96億円 ) の報酬を放棄すると発表している。


swissinfo、外電 

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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