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V アイガー東山稜登攀 -7-

ヴァリスの登山

このコンテンツは 2007/01/09 23:59

初夏を迎えて、再びグリンデルヴァルトの村に帰った私は、フリッツ・ストイリとブラヴアンドを連れてツェルマットに行つた。この夏は河岸を変えてヴァリスのアルプスである。モンテローザ(四六三八メートル)マッターホルン(四五〇五メートル)を登ったが、天侯が悪く、予定の半分も登れず、帰途アレッチホルンを登ってグリンデルヴァルトに帰った。ツェルマット地方の山々は、モンテローザを除いて多くは岩登りであった。マッターホルンのオベリスクのように立つ孤高の姿は、圧倒的な印象である。一八六五年ウィムパーを中心に一行七人は初登頂を遂げ、下山の際に四人が墜死した栄光と悲劇との物語りは余りにも有名である。ツェルマットに山岳博物館があって当時の用具などが陳列してある。ベルンにある山岳博物館は登山に関するものだけでなく、鉱物、動物、植物など全般的な蒐集であるが、ツェルマットのものは、この地方の登山に関したものが主として集めてある。またホテル・モンテローザも有名なものの一つである。十九世紀イギリスの登山者たちが、このホテルを根城として活躍し、アルパインクラブ発祥の場所として知られている。昔ながらの古い宿で、道に面した壁にウィムパーの肖像の銅板が嵌め込んである。ホテルの前に、小さな広場があって、老登山者を囲んで若者たちが、話に聴き入っている姿などを見受ける。
ツェルマットで山々を一望の下に見ることのできるのはゴルナーグラートである。この展望台へは電車が通じ、上にはホテルもある。モンテローザ、ツゥイリンゲ、マッターホルン、ヴァイスホルン、ツィナルロートホルン、その他の峰々は氷河を裾にまとうて聳え立つ。この雄大な眺望はアルプス景観の最たるものと言えよう。

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