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W杯 スイス、対チリ戦で敗れる

レッドカードで退場を強いられるヴァロン・ベラミ選手 Reuters

ワールドカップ6月21日、対チリ戦でスイスは0対1と敗戦した。16日にスペインに1対0で勝利したスイスは、今回もできれば勝利、もしくは引き分けに持ち越したかったところだった。

今後ホンジュラスに2点取って勝利すれば、決勝トーナメントに進出の希望はまだある。スイスにとってワールドカップ ( W杯 ) 2試合目は、審判の誤審と見られるレッドカードを出される不運もあった。

審判に厳しい批判

 ネルソン・マンデラ・ベイ・スタジアムでのゲームは前半、チリが優勢に展開し、最初の10分間でチリのシュートが2本。その後もスイスは何度も失点の危機を迎えるものの、ゴールキーパーのディエゴ・ベナリオ選手がしっかりとボールをつかんだ。強い風の中、ボールをコントロールするのは難しいにもかかわらず、ベナリオ選手は安定したプレーを見せた。怪我で対スペイン戦を戦えなかった、キャプテンのアレックス・フライ選手も出場したが、前半中盤でトランキロ・バルネッタ選手に交代した。

 試合開始後17分でスイスがイエローカード1枚。その後チリのイエローカードが3枚となったあたりから、スイスの勢いが素早くなった。ところが31分でヴァロン・ベラミ選手が、相手の選手の顔を手で叩いたとの審判の判断によりレッドカードとなり、退場させられた。実際相手の顔を叩いたのかどうか微妙な状況で、審判の判断にゲーム終了後も、レッドカードは適切だったのかという疑問の声が上がった。シュテファン・リヒトシュタイナー選手は、チリの得点もオフサイドだったと主張し「このような審判では、プレーできない」と審判を激しく非難した。

 選手10人でもスイスチームはチリの激しい攻撃を守り抜き、後半にW杯無失点記録で、イタリアが86年メキシコ大会から90年イタリア大会にかけて作った記録の550分を抜いて1位となった。

 しかし、後半戦、チリの勢いは増していった。これまで安定していたゴールキーパーのベナリオ選手は55分でチリのシュートを止めることができず失点。2点目のチャンスとなる次のシュートは、どうにか防ぐことができた。90分で唯一スイスのゴールのチャンスがあったものの、ゴールからわずかにそれて得点には至らず、ロスタイムの3分が過ぎていった。

 試合終了後、スイステレビのインタビューに、オットマー・フィッツフェルト監督は
「レッドカードのきっかけとなった相手が倒れたのは演技であってサッカーとは何の関係もない行動だ。レッドカード後の目標は0対0で試合を終了することだった。90分のゴールのチャンスが実らなかったのが残念だ」
 と答えた。

 チリはこれで決勝トーナメントへの出場の可能性がだいぶ大きくなった。スイス対ホンジュラス戦は6月25日20時30分、フリーステートスタジアムで行われる。

佐藤夕美 ( さとうゆうみ ) 、swissinfo.ch

6月16日、ダーバン16時から スペイン-スイス 0対1
6月21日、ポート・エリザベス16時 スイス-チリ 0対1
6月25日 ブロームフォンティン20時30分 スイス-ホンジュラス

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