スイスの視点を10言語で

2002年は国際山岳年

来年は国際山岳年 swissinfo.ch

来年は国際山岳年(インターナショナル・イヤー・オブ・マウンテン)だ。山岳地域の環境保全および持続的な開発を促進し、山岳社会の福利を発展させることを目的としている。

「山は人々を隔てる壁ではなく、世界の人々を結束させるものだ。」アドルフ・オギ前スイス大統領はニューヨークの国連総会で、国際山岳年は各国が山岳地域の環境・開発における経験や知識・情報交換の機会となるとの演説を行った。一方、ジョセフ・ダイス外相は、アイガー、メンヒ、ユングフラウの景観を一望のものとするスイスの首都ベルンのアルペン博物館で、国際山岳年におけるスイスの役割について次のように述べた。「スイスには氷河後退、積雪研究、持続的開発など山の専門家が大勢いる。アルプスは今、氷河後退だけでなく、過った山岳開発の結果ハリケーンや洪水の被害が顕著となっている。世界の山岳の景観を保護するため、スイスは国際山岳年において主導的役割を果たさなければならない。」。

スイス開発局のウォルター・フスト局長によると、国際山岳年制定にはスイスとキルギスタンが大きくかかわったという。「スイスは国連から国際山岳年の企画の打診を受けたが、スイスは国連の加盟国ではないので総会での発議権がない。そこで、キルギスタンが国連総会で国際山岳年を提案した。」とフスト局長はswissinfoに明かした。ダイス外相もキルギスタンについて、「パミール、ヒマラヤ地域とアルプスを結ぶパートナー」と中央アジアの国との友好関係を従来の国際金融基金(IMF )内での交流を越えて推進させる意欲を語った。

来年スイスではアルプスの自然資源保護に関する様々なイベントが催される。国際山岳年の主導機関である国連食糧農業機関(FAO)の協力のもと、アルプス・コミュニティの社会文化と経済・福利に焦点をあてる。また、山岳地帯という地理的条件ゆえに国民が貧困と経済的・社会的孤立に苦しむ国々の開発計画にも、スイスは国連やその他の組織、各国政府との緊密な連携のもと携わっていく。

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部