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シンガポールからモザンビークまで 国際会議VPET 18 スイス式の職業訓練制度、各国で手本に

2016年のVPET会議での職業訓練生

2016年のVPET会議での職業訓練生

(vpet-congress)

シンガポール、アメリカ、モザンビーク。この3カ国で、職業訓練制度をめぐる状況は大きく異なっている。間もなくスイスで開催される専門職業教育訓練に関する重要な会議から、これらの国々は何を学ぼうと思っているのだろうか。

 失業率2%のシンガポールが職業訓練によって教育の選択肢を広げたいと考えているのに対し、失業率25%のモザンビーク他のサイトへは職業訓練を若者に技能と雇用を与える手段として見ている。アメリカの失業率は約4%他のサイトへだが、熟練労働力の不足が広く知られている。

 スイスインフォは、ヴィンタートゥールで6月6日から開かれる第3回専門職業教育訓練国際会議(VPET18)他のサイトへで登壇するこれら3カ国の専門家に、それぞれの国での職業訓練制度について質問した。

 教育と受け入れ企業での職業訓練を組み合わせたスイスの2本立て制度は、しばしば他国から手本とされている他のサイトへ

シンガポールのオン・イェクン教育大臣

オン・イェクン教育大臣(本人提供)

(ZVG)

 オン・イェクン教育大臣は、ローザンヌの国際経営開発研究所(IMD)でMBAを取得していることもあってスイスの教育制度に明るい。今回の会議で講演するのが光栄だと話す。「スイスもシンガポールも小国で、生計を立てるためより広域・世界全体を相手にし、国民の教育を非常に重視している。目標は同じでも、教育と人材開発に対する両国のアプローチと政策は、それぞれの歴史的・文化的背景のため異なっている。そのため、互いから学ぶことで多くのものが得られるだろう。長年、シンガポールからは何代もの教育大臣がほぼ毎年のように、スイスの制度について学ぶためにこの国を訪れている」

 しかしオン氏は、シンガポールではまだ職業訓練に対する考え方を変える必要があると話す。ある程度の進歩は見られるものの、より多くの企業に対し人材教育を促す必要があるという。企業を巻き込んだ戦略としては、シンガポール技術教育機関(SITE)の新しい職業訓練ベースの専門職学位他のサイトへや、「スキルズ・フューチャー他のサイトへ」プログラム(earn and learn=働きながら学ぶ学位取得プログラム)を挙げる。

 「私たちの目標はつまるところ、我が国の若者が、学業から見習いベースの職業訓練までさまざまな選択肢の中から自分にぴったりの道を選び、それぞれの強みを生かし、実り多い職業人生を歩んでいけるよう手助けをすることだ」

米ノースカロライナ・コミュニティ・カレッジ・システムのキャスリン・P・キャステローズ職業関連制度主任

キャスリン・P・キャステローズさん(本人提供)

(ZVG)

 キャステローズさんの務めは、ノースカロライナ州内のコミュニティ・カレッジにおける職業訓練プログラム他のサイトへを監督し、州および国が求める人材を輩出することだ。この州の制度では実地の職業訓練と学校での座学を組み合わせている。訓練の内容も訓練生の年齢も幅広く、退役軍人も対象となっている。州内で600社以上の企業が職業訓練生を雇用しているが、ノースカロライナではさらに拡大を目指している。

 キャステローズさんは、今回の会議から革新的なアイディアや成功事例を持ち帰りたいとしている。「また、ノースカロライナ州で利用できる可能性のある政策についても知識を得たい。例えば、私たちの教育制度の枠内で実施できる職業訓練プログラム数を増やすための政策だ」

 スイスの精密機械メーカーの、デトワイラー社米国支社は、ノースカロライナ州でスイス式の職業訓練を行っている。「デトワイラー社は1995年に職業訓練を開始し、全国的に見ても職業訓練のリーダー的存在であり続けている。スイスの制度を手本とみなす動きが広がってきている。参加企業が増えるに従ってスイスの制度への関心が高まり、より推進されるようになってきている」とキャステローズ課長は言う。

 今回の会議では、ベッツィ・デボス米国教育長官も講演を行う。 トランプ政権は最近、職業訓練と技術教育プログラムを促進するため数百万ドルを投じると発表したばかりだ。

モザンビークの NGO「ADPP」で補助金管理・プログラム開発アドバイザーを務めるムジカジ・ントゥリMzikazi Ntuliさん

ムジカジ・ントゥリさん(本人提供)

(ZVG)

 「近年拡大しつつある若者の失業や、働きたくても職がないという現状は、多くのアフリカ諸国の政府にとって、社会経済開発上の大きな懸案事項の一つだ。雇用に結びつく技能がなければ、若者も成人も、妥当な報酬を提供する雇用機会の恩恵を受けることができない」とントゥリさんは話す。モザンビークでは職業訓練が整備されておらず、大半は民間部門やントゥリさんの勤めるようなNGOが訓練の機会を提供しているという。

 モザンビークでは現在、専門教育の改革が行われている。これにより、市場が求める技能を身につけ収入を増やすような需要主導型の訓練制度になるはずだとントゥリさんは話す。政府のデータによると、労働力人口の8割近くが初等教育を終えていないという。

 ントゥリさんが会議で話すつもりなのは、本人の言葉を借りれば「正真正銘のアフリカ的サクセスストーリー」だ。モザンビークの若者、特に女性の雇用可能性と起業家精神を促進する、ADPPが支援した二つのプロジェクトが中心になるという。

 ントゥリさんは、他国の職業訓練制度から学ぶこと以外にも、職業訓練プログラムを通じて専門技能を提供するためのテクノロジーを最大限に活用する方法についても知りたいと思っている。「アフリカでは、教育や訓練分野へのテクノロジーの利用が始まったところだ。成功事例や、鍵となる成功要因は何だったのかといったことを学びたい」

*インタビューはすべてEメールで行われた。​​​​​​​

第3回専門職業教育訓練国際会議(The 3rd International Congress on Vocational and Professional Education and Training=VPET18)

スイスインフォは、2018年6月6日から8日まで開催される第3回専門職業教育訓練国際会議(VPET18)のメディアパートナーだ。

約80カ国から産業、政治、教育分野の約425人の参加者が予定されている。会議の目標は「開かれた議論と成功事例の交換」だ。

モットーは「雇用可能性とキャリアに結びつく技能」で、現在の経済が直面している課題に着目する。取り上げられるテーマとしては、デジタル化、生涯学習、カリキュラム開発などがある。もちろん職業訓練生たちも参加し、自分たちの受けた訓練について紹介する「Skills Village」というコーナーがある。

インフォボックス終わり


(英語からの翻訳・西田英恵)


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