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日本・スイス国交樹立150周年


スイスの大統領、日本・スイス友好の歴史150年を祝う


里信邦子(さとのぶ くにこ)


スイス・デイズの開会式を祝うブルカルテール大統領 ()

スイス・デイズの開会式を祝うブルカルテール大統領

来日中のスイスのディディエ・ブルカルテール大統領は6日、日本・スイス国交樹立150周年を祝うイベント「スイス・デイズ」の開会式であいさつし、その開幕を祝った。スイスインフォはこの来日を、大統領からのメールでの返答やスイス外務省のコミュニケなどをもとに追った。

 ブルカルテール氏は「149年前、スイスの外交団は5カ月に及ぶ長旅の末、日本に到着。翌年の2月6日に修好通商条約の調印にこぎつけた」と、4日の在日スイス大使公邸のレセプションの席で話したと外務省のコミュニケは伝える。

 さらに、「今回スイスの外交団の長として来日した私は、ヌーシャテル州の出身。150年前の使節団長、エメ・アンベールもヌーシャテル州の出身だった。この偶然の一致に特に喜びを感じている」とも述べている。

 この喜びには、一つの逸話がつく。スイスインフォがこの「偶然の一致」に対する感想を尋ねた質問への回答で、ブルカルテール氏は「1998年、ヌーシャテル市長としてすでに日本を公式訪問した」と書く。

 「それは愛知県新城市への訪問だった。ヌー(仏語で、新しい)シャテル(城)も新城と同じ意味。新城市は新しい城という名前を持つ世界の自治体52の中から、八つの自治体を選び出し、国際サミット『新しい城』に招待。ヌーシャテル市もその一つとして招かれた」。2年後の2000年にはヌーシャテル市で第2回目のサミットが開催されている。

 「こうして150年前の修好通商条約以来、日本とヌーシャテル(そしてスイス)は密接に結び付き、今日に至るまで長年の友情が続いている。この記念の年を、今後の150年間に築かれていく友情と絆のための礎の年にしたい」

似た国同士

 ブルカルテール氏は、同じくスイスインフォへの回答の中で、「日本・スイス国交樹立150周年を祝うことは、両国間の友好関係に光を当て、特に両国の類似性を強調することにある」と記述する。

 そして実際、スイス大使公邸のレセプションで「スイス・デイズで披露されるスイスアルプスの相撲『シュヴィンゲン』と日本の相撲は、驚くほど似ている」と話し、「両国はハイレベルな技術労働者の存在や最新のテクノロジーといった点でも非常に似ている」と強調した。

 政治面でも「地理上の相違にもかかわらず、多くの価値と目的を共有する。例えば国連の決議案の95%において、両国はいつも同じ立場を表明している」。

 経済面では、「両国とも世界トップ20に属し、最も発達した、最も革新的な、最もグローバルに躍進し続ける国だ」。

連邦議会議事堂のアーカイブに保存されている「日本・スイス修好通商条約」の原本 (swissinfo.ch)

連邦議会議事堂のアーカイブに保存されている「日本・スイス修好通商条約」の原本

(swissinfo.ch)

お互いの利益のために

 こうした類似性を提示した上で、スイスインフォへの回答の中でブルカルテール氏は「オープンな姿勢、そして信頼によって深く結びついている両国は、この150周年を両国の共通利益を追求し、協力関係を推し進めながら、友好関係をも深める最良の機会にしたい」と述べている。

 特に経済面では、日本はスイスにとってアジアにおける第2のパートナー。日本にとってもスイスは重要なパートナーであり、特に経済連携協定(EPA)を結んでいる唯一の欧州の国にあたる。

 スイスにとって日本との関係強化は、「世界で最もダイナミックな発展を遂げるアジア・太平洋地域における、スイスの2012~15年の経済政策課題の一つ」。そのため、スイス政府は経済連携協定に基づき、経済的協力をさらに推し進めたいと考えている。

 また、ブルカルテール氏は、スイスインフォへの回答の中で、「今年のイベントを通して、スイスの最先端の技術を生み出し活用するダイナミックな側面を紹介していきたい」とも強調。一方、観光分野でもこの150周年が二国間協力を推し進める契機になり得ると考えており、「スイスの観光モデルは、東京で2020年に五輪を開催する日本にとって特に興味を引くものではないか」と書いている。

 6日に開催された、日本滞在を総括する記者会見では、スイスと日本は科学技術分野での協力が一番重要だと強調し、また、安全保障分野で日本は欧州安全保障協力機構(OSCE)のアジアでの唯一のパートナーであるため、日本との対話をさらに発展させていきたいと結んでいる。

スイス・デイズ

これは、スイス政府が東京の六本木ヒルズアリーナで2月6日から9日まで4日間開催する「スイスがそのままやって来た」イベント。

スイス人アーティストによるアルプホルンやジャズのコンサート、スイス相撲「シュヴィンゲン」、スイスの壮大な風景を映し出す3Dプロジェクションマッピングの上映などが行われる。

また、スイスのチョコレートをはじめ、ラクレットやスイス産のワインなど、スイスの代表的な味が体験できる。

開催場所は東京の六本木ヒルズアリーナ、入場は無料。

天皇、皇后両陛下と懇談

 なお、3日から来日しているブルカルテール氏は、すでにさまざまな公務を果たしている。

 3日には天皇、皇后両陛下と皇居・御所で懇談し、人道面と経済面で両国間の関係を深めていくことを確認。陛下は特に「記念の行事が成功し、両国関係が発展することを祈っています」と話した。

 翌日4日には、スイス大使公邸のレセプションに皇太子さまを招き、「150周年の今年、殿下をスイスでもお迎えすることができれば大変にうれしい」と述べ、皇太子さまは、「両国が築き上げた友好関係を基礎に、直面する課題に取り組んでいくことが重要です」とあいさつした。

 

 安倍晋三首相との会談では、航空路線の自由化、いわゆる「オープンスカイ」を進めるなど、両国の人的交流の拡大を図ることで一致している。

 岸田文雄外相との会談では、この150年間日本・スイス両国は一貫して友好関係にあったこと、また経済連携協定締結による貿易・投資関係の促進等で、両国の経済関係が順調に発展しているとの認識で一致。ただし、スイス側は経済関係でさらに強力な関係を推し進める必要があると付け加えている。また、人権擁護の立場から全世界での死刑制度廃止を支持する国として、岸田外相に対し「この件でも二国間協力を申し出た」と連邦外務省のコミュニケは伝えている。

 この後、ブルカルテール氏はスイスには帰国せず、直接ソチ冬季五輪に出席する予定だという。

数で見るスイスと日本

日本の面積は38万km2、スイスの面積は4万1000km2(ほぼ九州の大きさ)。

両国は1万km離れている。

人口では、日本が1億3千万人、スイスは800万人。

日本は、スイスにとって欧州連合(EU)、米国、中国につぐ第4番目の貿易相手国。

スイスから日本への2012年度の輸出総額は67億フラン(約7500億円)。

スイスから日本への主要貿易品目は、医薬品(36.1%)をトップに、化学製品、一般機械、科学光学機器、電気機器など。

日本からスイスへの主要貿易品目は、自動車(14.5%)をトップに、非鉄金属、医薬品、化学製品(医薬品除く)、電気機器、一般機械など。

両国の経済関係を強化するため2007年5月に交渉が開始された日本・スイス経済連携協定は、2009年9月に発効した。

スイスの在留邦人数 9870人(2013年10月現在)

在日スイス人数 963人(2013年6月公表 法務省在留外国人統計)

swissinfo.ch



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