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もぐもぐスイス味 第2弾 その5 ― 安さに感動、学生食堂 -

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物価の高いスイスで学生はどうやって生活しているのだろうか?せめて学生食堂は安いのだろうか?日本の学生食堂と比べてどうなのだろうか?など好奇心に胸を膨らませモモヨ隊員と学生食堂探検にでかけた。

選ぶなら、特色のある大学をということで、ローザンヌ連邦工科大学 ( EPFL ) に決めた。同校はチューリヒ連邦工科大学 ( ETHZ ) と共に、スイスで2校だけのスイス連邦の大学である。

 ノーベル賞受賞者を多く輩出するチューリヒ連邦工科大学とライバルのローザンヌ校は、最近ロボット工学や、ニューロファイナンスなどの分野で話題を呼んでいる。外国からの学生も増え、全校学生数6547人中2287人が外国人。今年はキャンパスの中心に、日本の建築事務所「SANAA」設計による巨大な波形のセンターの建設も始まった。

安くするのは限界あり

 EPFL駅に降り立つと、研究所風の建物が積み木のように所狭しと並んでいる。こんな所に多くの学生を収容する食堂があるのだろうか?1人の男子学生に道案内を頼み、やっとたどり着いた食堂は、全体としては広いのだが、複雑に入り込んだ空間だった。

 メニューは4つに仕切られた縦長の箱の中に並び、実にシンプルで一目瞭然。クスクス、目玉焼きの乗ったパンとチーズのグラタン、肉とポテト、パスタ。すべてサラダ付きで10フラン ( 約1000円 ) 前後とスイスの物価からすれば、極端に安い。

 男子が8割の学生たちが背もたれのないベンチ風の椅子に、ぎっしりと並んで食べている。若さの発するエネルギーと会話の声で、ほとんど目が回りそうな気分になる。とにかくここにコート置いて席を確保して、お互いのメニューを探しに行きましょうとモモヨ隊員に大声で叫んでしまう。

 メニューを抱えて席に着きホット一息つき、隣をみると会社員風の男性。近くの会社から、安いので食べに来るという。ただしここの卒業生で、1時頃来ると空いていると助言してくれる。

 頭を酷使する学生に特に配慮することは?とマネージャーに質問。栄養のバランスを考えながら、なるべく1つはベジタリアン、2つは肉、もう1つは魚とバリエーションを考えているという。しかし安くあげるのは、かなり限界に近く、1番安いメニューの6.50フラン ( 約650円 ) は来年から値上げしないとやっていけないとキャリア20年のマネージャーは頭を抱えた。 

・・・でモモヨ隊員は

 すごいですねえ、今、目の前にいるのはみーんな次代を担う若者なんですね。さすがに工科大学だけあって男の子が多いですよ、ね、隊長。

 上の空で相槌を打ちながら、レストランの所在地を学生に聞いているサトノブ隊長。今の青年もすてきでしたね。

 ごった返すメンザ( 学生食堂 )のサラダの付いたセットメニューは4種類。どれも卒倒するような安さで目が丸くなってしまう。スイスにも、こんな場所が存在するのね。

 それとは別にタイ風コーナーも独立してある。これは異色とモモヨはタイ風ヌードルを選んでみる。隊長はクスクス風一品。

 タイ風は、残念でございました。今日が外れの日だったのかしら。隊長のクスクスはスパイス控えめなれど、しっかりツボを抑えてあってフランス語圏はアフリカが近いと感心してしまう。

 ほかのスイス風ご飯も侮れない品揃えでなかなかおいしそう。ローザンヌ連邦工科大学メンザ、毎日のお昼に是非通ってみたいもの。近くにあればなあ。

swissinfo、里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) & モモヨ

レストラン : ローザンヌ連邦工科大学 ( ETHL/EPFL ) の学生食堂

( 320人収容の「パルマンティエール ( Parmentier ) 」と280人収容の「ビンチ ( Vinci ) 」がある )

住所 : EPFL, Centre du midi, 1015 Lausanne 

電話 : + 41 21 693 32 75

予約 :  不要

時間 : 12月24日~1月3日間以外は年中無休 ( 数年前までは、夏は休みだったが、今は国際会議やセミナーなどが増え、年末年始を除いて年中無休になった )
昼 11時30分~14時 ( 月~金曜日 )、夜 18時~20時 ( 月~金曜日 ) 

メニュー : 日替わりメニュー4種類。1種類はベジタリアン。2種類は肉料理。最後の1種類は魚料理予算 : すべてのメニューが10フラン前後 ( 約1000円 )

行き方 : ローザンヌ駅からバスでフロン ( Flon ) まで行き、フロンから地下鉄でEPFLという駅まで行く( 約30分 ) 。2008年秋に地下鉄が開通すると、ローザンヌ駅からフロンで乗り換えてEPFLまで。

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