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スイスでは17万5千人が億万長者?

スイス人は個人資産運用に関して安定志向? swissinfo.ch

メリルリンチ銀行とコンサルティング会社、キャップジェミニ・アースト&ヤングが年次報告の「世界の資産家調査」をチューリヒで11日、発表した。

レポートは経済低迷にも関わらず2002年、世界の億万長者は前年比で2,1%増加し、スイスでは6%も増えたと報告する。

世界の金持ち報告書

 報告によると2002年、100万ドル以上の資産(約1億2千万円/不動産資産を入れず)がある人々は世界で730万人おり、前年比で2,1%上昇。スイスでは17万5千人で6%も上昇したという。メリルリンチ銀行のマルク・ヴァン・ポール氏はこの上昇率について「2001年比で1万人の億万長者が増えた」ことになるという。スイスは欧州人口の1%にしか占めていないのにも関わらず、欧州の大金持ち人口の7,6%がスイスに住んでいることになる。

欧州VS米国の金持ち

 何故、スイスで資産家が増加傾向にあるのか報告は触れていないが、昨年は欧州の資産家の方が米国より、上手に資産運用を行ったことを示している。米国の億万長者は資産を2,1%減らしたのに対し、欧州の金持ちは資産を分散することで、株価の下落の被害を抑えることができたと説明する。ユーロ(対ドルで1年に18%も上がった)とスイスフランが強かったことも要因の一つという。

世界金持ち比べ ?

 「スーパーリッチ」つまり、3千万ドル(約35億円)以上の資産のある人々は世界で5万8千人おり、これも前年比で2%上昇した。世界の億万長者の3分の2は米国か欧州に住んでいる。世界で資産家が一番増えたのはアジアで10,6%も増加して、欧州の4,6%を上回った。報告は世界の富裕層の資産が2002年の270億ドルから2007年には500億ドルに上がると予想している。

金持ちになるには?

 資産家の資産運用は、不動産や見返りの安定している投資(社債など)を優先する安定志向が強まっている。一般的には30%が確定利付(債券)投資に、25%が現金委託、20%が株で15%が不動産、10%がその他の投資に当る。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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