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スイスフラン、対ユーロ最高値更新

12日外為市場で、スイスフランは単独ヨーロッパ通貨として対ユーロ最高値の1ユーロ=1.5168スイスフランを記録した。

12日外為市場で、スイスフランは単独ヨーロッパ通貨として対ユーロ最高値の1ユーロ=1.5168スイスフランを記録した。

対ドイツマルクも史上最高値をつけた。アジア市場で1ユーロは、1.5168スイスフラン、0.8583ドルまで落ち込んだ。その後ロンドン市場の終値では、1ユーロ=1.5230スイスフランまで戻したが、ユーロ暴落がどこまで続くのか、世界経済へ及ぼす影響も含め懸念が大きくなっている。

スイスフラン高は、スイス経済の高成長に拠るところが大きい。経済成長が続けば、金利の引き上げが予測される。が、経済アナリストらは、スイスフラン高になるほど、スイス国立銀行(SNB)は金利引き上げを行わないだろうと見ている。SNBは、金利を引き上げ、さらにスイスフラン高に導くより、静観するだろう。

スイスフラン高のもう一つの原因は、欧州中央銀行(ECB)の信頼性の無さが上げられる。「ユーロ安の原因は、ユーロに対する信頼感が無いからだ。ECBは市場を沈静化できず、ユーロからドル及びスイスフランへのキャピタルフローが止まらない。」とカントレード・プライベートバンクのマルクス・アレンスパー氏は分析する。

スイスフランの対ユーロ高は、スイスの最大輸出国である対ドイツ貿易が懸念される。一方、対ドルは11年来の最安値を更新中で、対円も相変わらず最低水準と、スイスフランの全面高ではなく、対ユーロ高になっているだけだ。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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