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スウォッチ、ジュエリーに参入

Swatch profits dropped. Swatch

世界の有名時計ブランドのほとんどを傘下に持つスウォッチ・グループは、ジュエリー市場に参入する。スウォッチは今後4、5年でジュエリー部門が総売上げ高の10%になると期待する。

年間1500億ドル相当の国際ジュエリー市場への参入の理由について、スウォッチ・グループのジュエリー部門「Dress Your Body」責任者Arlette Emch氏は、「時計とジュエリーは、使用する金属や石、商品の大きさなど共通点が多く、時計メーカーにとって参入しやすい。」とswissinfoに語った。そして、今日のジュエリー市場のわずか10%を占めるにすぎないブランド・ジュエリーの将来性は、とても有望だと次のように語った。「古来、宝石の最大の顧客は夫と父親だった。が、今日では女性が自分でジュエリーを購入する。女性が購入する場合はブランド品を好む。女性は男性よりもブランドに敏感だ。洗剤すらブランド化されているほどあらゆる商品がブランド化されている今日、ジュエリーもブランドでなければならない。」。

スウォッチは昨年、ロンドン、パリ、ニューヨークなどいくつかの都市でアンテナ・ショップのブティックをオープンし、時計と一緒に同社ブランド・ジュエリーを並べた。同社の「Brequet」ブランドは、1500スイスフランから10万スイスフランまで高額消費を厭わない消費者を対象にしている。が、スウォッチの大衆市場の顧客を無視しているわけではない。「高級ブランドでは、カルティエ、ティファニーなど老舗との競争が明らかだが、低額市場では、国際的に認識されているライバル・ブランドがいない。」とEmch氏のいう通り、スウォッチのブランドで30スイスフランからのカジュアルな商品を販売している。

ジュエリー市場に参入する同グループのブランドは、当面はSwatch、Omega、Brequetに限定する。が、他の時計ブランドでも将来はジュエリー製造を始める計画だという。

ジュエリーは女性用だけで無く、男性用の指輪、ブレスレット、カフスリンクなども販売している。「最近では男性もファッションに気を使う。ジュエリー業界では長い間無視されてきたが、男性市場は大変有望だ。」とEmch氏。

ジュエリーによる利益マージンは時計よりも小さいが、市場そのものは時計よりも4倍から5倍大きい。「ファッション界にデザイナーの多様性が必要なように、ジュエリー界でも顧客は選択とブランドを求めており、新参者にチャンスはある。」とEmch氏はジュエリー市場での成功を確信している。

世界最大の時計メーカー、スウォッチ・グループ、ジュエリーに参入
国際ジュエリー市場は年間1500億ドル相当

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