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テレコムワールド2003展 参加者数減少

出展数およそ900社。日本からは27社が参加した。 Keystone

12日から18日まで、情報IT分野の展示会のオリンピックといわれるテレコムワールド2003がジュネーブで開催されている。出展者数が前回より2割下回り規模が縮小した。

12日、パスカル・クシュパン大統領が開会宣言を行い開幕した。携帯電話でインターネットの情報を受ける技術では、日本企業のコンテンツが注目されている。

 国際電気通信連合(ITU)が主催する4年に1度のテレコムのオリンピック「テレコム2003」が12日、開幕した。
4年前の前回の参加者数1150社から、今回は909社に縮小した。スイスコムなど地元の企業を始め、欧州各国、米国を始め、アジアやアフリカなどからの参加もある。一方、大手のノキア、アルカテル、エリックソン、フランステレコム、オラクル、テレフォニカ(スペイン)、フィリップス、ジーメンスなどは出展を見合わせたのは、IT不況の煽りと見られる。 サンライズ社のモニカ・ヴァルザー広報担当は「デンマークの本社の決断」が理由で参加しないと語った。

日本のコンテンツを世界に

 日本からは、企業や団体が合わせて27社が参加している。スイスは携帯とコンピュータの情報の行き来がまだ発展途上。最近になって携帯からコンピュータにメールを送れるサービスが本格的に始まった。携帯電話から受けられるコンテンツの内容も乏しい。自分の居場所まで自動的に知れるというサービスは、まだまだ先の将来だ。

「携帯も小型化し、iモードなどのサービス面で進んでいる」
と語るのはKDDIジュネーブ駐在事務所の常盤英晴所長。
「技術のプラットホームを統一し、コンテンツは各国の文化や生活形態にあわせたものを作るのが望ましい」
とレベルの高い日本のコンテンツが世界に広まりつつあると指摘した。

 一方、スイスの情報サービスを代表するスイスコムも、マイクロソフト社との提携による「モバイルオフィス」を紹介。携帯電話であらゆる情報を受信できる技術だ。

 同社のセップ・フーバー広報担当によると
「日本の携帯電話ディスプレーやカメラの技術は良い」
と日本のハード面での技術も評価されている。

ジュネーブから撤退する不安

 今回の展示会は参加者が大幅に減少したのは、IT不況の影響のほかに、展示運営の失敗であったとの批判が出ている。主催者は否定するが、次回の2007年はバルセローナなど他の都市が候補地として挙げられている。

スイス国営放送 佐藤夕美 (さとうゆうみ)

ITUテレコムワールド2003
ジュネーブ・パレエクスポにて
10月12日から18日まで

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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