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ナポリのゴミをジュネーブで焼却

冬でも悪臭が立ち上るゴミの山 Keystone

ジュネーブ市工業会社 ( SIG ) は2月28日、イタリアのゴミの一部をジュネーブのシュヌヴィエ・ゴミ焼却炉で焼却すると発表した。

ゴミを「輸出」するのは南部の都市ナポリ。この地域は現在、ゴミの処理に頭を悩ませている。

ゴミ余るナポリ、足りないジュネーブ

 APA通信によると、2月初旬、ナポリの路上には35万トンものゴミが山を作って悪臭を放っていた。政府は1月、このゴミ危機を乗り越えるために使用可能な処分場をすべて再稼動させ、さらにゴミの一部を焼却のためにドイツまで送った。路上のゴミの撤去には軍隊まで借り出されるという騒ぎだった。

 一方、ジュネーブ市ではリサイクルが進んで、ゴミ焼却炉は採算割れ状態。シュヌヴィエ・ゴミ焼却炉の年間焼却能力は35万トンだが、今年の予定焼却量は29万6000トンで、2011年には22万7000トンまで落ち込むと見られている。そのため、2009年から2011年までオーストリアのゴミを年間4万3000トン引き受けることになっている。

 イタリアからは今年4万3000トン、2009年には3万8000トン、そして2010年から2011年までは5万トンのゴミを輸入する予定だ。

 ただし、この輸入には厳しい規則がある。まず、ゴミは「新鮮」なものに限られる。数週間前の古いゴミは受け入れない。そして、輸送には必ず鉄道を利用する。また、ゴミの出所もはっきりさせなければならない。

 ジュネーブ市工業会社は、ゴミの搬出をイタリア政府から依頼されている会社と近日中に契約を結ぶ意向だが、この「ゴミ取引」については連邦とジュネーブ当局の承認も必要だ。

swissinfo、外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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