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ブロッハー相落選!

ブロッハー司法警察相の前途は・・・? Keystone

渦中の人クリストフ・ブロッハー司法警察相は、今朝の選挙で次点となり、再任を阻まれた。それ以外のメンバーは全員再選が決まった。

ブロッハー相の代わりに選ばれたのは、同じ国民党 ( SVP/UDC ) 員でグラウビュンデン州参事官のエヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ氏だ。

波乱万丈の選挙

 今回の選挙の中心は再び国民党。前回選出されたクリストフ・ブロッハー司法警察相の再選が取りざたされた。理由は合議制を無視した行動が目立ち、外国人排斥が色濃い政策が非難されていることによる。

 左派の社会民主党と緑の党 ( Grüne/Les Verts ) はブロッハーの退陣を要求。社会民主党は立候補していない国民党党員に票を投じる作戦を練った。緑の党は代わりの候補ルック・レコルドン氏を立てての出陣。

 一方、右派中道の急進民主党はこれまでの体制を支持。残るキリスト民主党は前回手放した1席を取り戻すことはまだ考えていないが、ブロッハー司法警察相は支持しないと前日に発表した。肝心の国民党は、同相が再選されなかった場合、もう1人の国民党大臣であるサムエル・シュミット国防・国民保護・スポーツ相も退任させ、完全に野党に回ると宣言した。これは4年前と同じ戦略だ。

 ブロッハー相の再任選挙ではまず左派が候補者に選んだグラウビュンデン州のエヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ参事官が116票を得た。ブロッハー相は111票。投票数の過半数に至らなかったため、2回目の選挙が行われ、ここでヴィトマー・シュルンプフ氏への票は過半数の125票に達したが、同氏がこの決定を受け入れるかどうかは13時以降に公表される。国民党幹部は、ブロッハー相以外の党員の当選は受け入れず、当選した議員が辞退しない場合はその議員の除名も辞さない構えだ。

swissinfo、小山千早 ( こやま ちはや )

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ミシュリン・カルミ・レ外務相 ( 社会民主党、2003年着任 )
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クリストフ・ブロッハー司法警察相 ( 国民党、2004年着任 )
落選
ハンス・ルドルフ・メルツ財務相 ( 急進民主党、2004年着任 )
213票
ドリス・ロイタルト経済相 ( キリスト教民主党、2006年着任 )
160票

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