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ユラ州、居留外国人の権利拡張を住民投票に

21日に行われる国民投票で審査されるのは、対EU相互条約だけではない。いくつかの地域的な議案の投票も行われる。ユラ州では、居留外国人の政治的権利拡張案が州民の審査を待っている。

21日に行われる国民投票で審査されるのは、対EU相互条約だけではない。いくつかの地域的な議案の投票も行われる。ユラ州では、居留外国人の政治的権利拡張案が州民の審査を待っている。

スイスの政治制度では、国家レベルから地域レベルまで、外交問題から村が新しいバス停をつくるべきかというような問題まで、投票権を持つ市民の意見を問う。が、実際の選挙制度は地域によって大きく異なっている。

スイスの居留外国人は全人口の20%にのぼり、多くが長年この国に住んでいる。これら長期在住の居留外国人は、兵役を除き納税など国民と同様の義務を課せられている。ユラ州は、スイスの中で外国人の権利という点では最先端を行っている。ユラ州では、同州在住10年を超えた外国人は、州レベルと自治体レベルでの投票権を与えられ、ユラ州法に関わる議案以外の投票は全て認められている。この外国人の投票権は、1978年に誕生したスイスで最も新しい州ユラの州法に明記されている。21日の投票で問われるのは、外国人がユラの市町村レベルの議員になるのを認めるかという議案だ。

ユラ州当局では、これまで投票日夜の開票に外国人住民にも参加してもらい、居留外国人の政治参加意識の高揚と、スイス人州民との政治的連帯意識の促進に努めて来た。21日の投票で、外国人市町村議員の誕生を承認する案が可決されれば、ユラ州はスイスでも外国人問題ではさらに抜きん出た存在となる。

ヌーシャテル州では1848年から居留外国人の市町村投票権を認めているが、2000年の今日まで州レベルまで引き上げられていない。今年9月、ヌーシャテル州は在住5年以上の外国人に州レベルでの投票権を認めるかを住民投票に問う。他の州でもここ10年同様の議案が住民投票にかけられているが、いずれも否決された。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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