スイスに永住する人で、特定の宗教を信仰していない人口が2000年に比べ2倍以上に増えたことが、連邦統計局が31日発表した統計で分かった。キリスト教信者が減少した一方で、イスラム教徒の数が微増した。
このコンテンツが公開されたのは、
統計によると2016年、スイス国内の永住者で無宗教の人は全体の24.9%。00年は11.4%だった。無宗教の人のうち、3人に1人がこの世に神はいないと考える無神論者で、神が存在するかは分からないとした人は4人に1人だった。
宗教施設の礼拝行事に最も参加していたのがキリスト教のカトリック教徒で、全体の26%が年間6~12回、教会に足を運んだ。一方、キリスト教福音派は毎日お祈りする人が全体の51%を占め、2回以上も34%と高かった。
イスラム教徒は傾向が異なり、過去1年間で礼拝行事に一度も参加しなかった人は46%に上った。また、4割の人が同時期で一度もお祈りしたことがないと答えた。週に1回、集団礼拝に足を運ぶ人はわずか12%で、ほぼ毎日お祈りしていると答えた人は17%だった。
統計では、男性より女性の方が直接目に見えないものを信じる傾向が見られた。妖精や超常現象を信じると答えた女性は全体の58%に上ったが、男性は37%。また女性の半数以上が、超能力の存在を信じると答えた。
続きを読む
おすすめの記事
信仰への冒涜罪、スイスで無宗派が撤廃要求
このコンテンツが公開されたのは、
神への冒涜(ぼうとく)を罪とするか、言論の自由として認めるかは各国によって判断がまちまちだ。欧州人権裁判所は預言者ムハンマドを小児性愛者と呼んではならないとしたが、スイスでも同様の発言は罰則対象になる可能性がある。
もっと読む 信仰への冒涜罪、スイスで無宗派が撤廃要求
おすすめの記事
誰もが安住できる墓地を 宗教的ニーズの多様化
このコンテンツが公開されたのは、
ベルン市のブレムガルテン市営墓地では、キリスト教のほか三つの世界宗教による埋葬を行っている。これは異なる信仰を持つ人々を尊重し、葬儀という悲しい儀式をさまざまなニーズに合った形で行ってもらおうという配慮だ。「誰もが安住できる場所」を目指す墓地を取材した。
もっと読む 誰もが安住できる墓地を 宗教的ニーズの多様化
おすすめの記事
ブルカ着用禁止、スイス人の4分の3が支持
このコンテンツが公開されたのは、
顔を覆う衣服の着用を全国レベルで禁止すべきかどうかを問う国民投票が行われた場合、スイスの有権者の76%が賛成票を投じるつもりでいる—。実質的なブルカ着用禁止をスイス人の多数が支持していることが調査結果で分かった。
もっと読む ブルカ着用禁止、スイス人の4分の3が支持
おすすめの記事
ルクソール事件から20年 テロ件数は世界的に減少
このコンテンツが公開されたのは、
1997年11月17日にエジプトのルクソールで起きたイスラム過激派の無差別殺傷テロ事件では、スイス人36人を含む観光客62人が殺害された。スイス人が巻き込まれたテロの中では最悪の犠牲者数が出たこの事件から、今年で20年。テロリズムはいまだ脅威だが、意外にもテロ発生件数や犠牲者数は減少している。
もっと読む ルクソール事件から20年 テロ件数は世界的に減少
おすすめの記事
修道女と結ばれた宗教改革者ハインリヒ・ブリンガー
このコンテンツが公開されたのは、
「私が求めているのは、ただ一人、貴女だけだ」とブリンガーは手紙の中で若き修道女に熱い思いを告白している。ブリンガーはこの修道女と人生を共に歩み、苦も楽も全て分かち合いたいと手紙を出したのだ。「貴女はまだ若い。神が貴女に…
もっと読む 修道女と結ばれた宗教改革者ハインリヒ・ブリンガー
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。