ナビゲーション

ナビゲーションへ

グローバルメニュー

キャンプ場だってリゾート スイスの高級キャンプ場「カンポフェリーチェ」

カンポフェリーチェのプライベートビーチからマッジョーレ湖を望む

カンポフェリーチェのプライベートビーチからマッジョーレ湖を望む

(swissinfo.ch)

 ロカルノやアスコーナの有名リゾート地が湖畔を賑わすマッジョーレ湖。温暖な気候と雄大な自然の恩恵にあやかろうというのだろう。スイスとイタリアにまたがる、南北に長細いこの湖の周辺にはキャンプ場がたくさんある。スイス一の高級キャンプ場「カンポフェリーチェ(Campofelice)」もここにある。キャンプ好きでテント派の我が家はこじんまりしたキャンプ場が好みだが、今年は豪華な大型キャンプ場のお手並みを拝見した。

 キャンプ場にも等級があるのかと驚くかもしれないが、ホテルに格付けがあるようにキャンプ場にも星が付く。ドイツ自動車連盟(ADAC)が毎年作成するキャンプガイドは欧州にある5000以上のキャンプ場を網羅し、その格付けを行っている。キャンプ場の設備、衛生管理、余暇プログラムなどが審査の対象になる。

(swissinfo.ch)

 わたしたちが夏に訪れたカンポフェリーチェはADACに登録された100件あるスイスのキャンプ場の中で唯一の5つ星。さらに今年は「ベストキャンピング(Best Camping)」にも選ばれた。ほかの機関からも高く評価されており、紛れもなくスイスが誇る最高級キャンプ場というわけだ。

 マッジョーレ湖の北端、ティチーノ川とヴェルザスカ川が流れ込む平野部にカンポフェリーチェはある。ほとんど距離を置かず別のキャンプ場が2つ軒を連ねていることからもマッジョーレ湖の人気ぶりが窺い知れる。15ヘクタールの広大な土地には一時滞在者向けの720区画と年間契約者用の110区画があり、わたしが今まで訪れた中で最も大きなキャンプ場だ。

 夏のハイシーズンに大人2人で利用した場合、1泊58~90フランとキャンプ場としては高額だが、それだけの設備と環境が整っている。友人一家がここを夏の定宿にしており、彼らに合流して1週間過ごしてみての感想は、家族連れにはこの上なく快適!

(swissinfo.ch)

 何が快適かというと、休暇に必要なものすべて(いや必要以上かもしれない)が敷地内にすっかり揃っていることだ。湖岸のプライベートビーチはもちろんのこと、ヨットハーバーに公園にテニスコートにサッカー場。さらに、レストランにカフェに売店。ジェラート屋だってある。数え上げたら切りがないが、トイレとシャワーと炊事場しかないのがキャンプ場だと思ったら大間違いだ。

 設備の充実度と同じぐらいに余暇プログラムも充実している。大人向けにはカヌー教室や早朝ヨガに始まり、敷地内のほぼ中央に設置された大きなパビリオンの中では映画鑑賞会やサッカーの試合観戦会も催される。

(swissinfo.ch)

 滞在期間中、わたしもこのパビリオンには子どもたちと足繁く通った。宿泊中の子どもたちによるサーカスの発表会を観たり、ちびっ子向けのダンスナイトで踊ったり、フェイスペインティングを体験したり、音楽とお絵描きの集いに参加したりと、子どもたちだけでなくわたしにとっても何もかもが新鮮で愉快だった。

(swissinfo.ch)

 このほかにも面白い特徴がある。18歳以下の未成年者は親または親族の同伴が必要で、学校やクラブなどの団体客はお断り。愛犬家ももれなくお断りだ。こうした規制をもうけることによって家族連れやお年寄りが安心して滞在できる環境を整えていることが分かる。規模のわりに落ち着いた雰囲気なのもこうした理由からなのだろう。確かに、周りを見回せばリタイア組と家族連ればかりが目立った。

 このようなファミリー向けの大型キャンプ場には1週間以上の滞在型キャンプを楽しむ人が多い。テントも大き目のものが多く、それ以上にキャンピングカーやトレーラーが大多数を占める。住まいを丸ごと運んでくるような感覚で、とことんくつろいでしまおうという感じがする。

(swissinfo.ch)

 わたしたちの隣に滞在していたスイス人一家は生後2カ月半の赤ちゃんを連れていた。そういう我が家も10カ月の赤ちゃん連れだったが、キャンプ場内には赤ちゃん専用のバスルームもあり、不自由は全く感じなかった。また、3世代キャンプを楽しむ人たちや、老夫婦の後にその娘夫婦というように、1台のトレーラーを家族内で引き継いで滞在する人たちもいた。皆それぞれのスタイルでキャンプ場に落ち着いている。

 このカンポフェリーチェの1週間でわたしのキャンプの常識は見事に覆された。わたしの知っているキャンプは、自然以外になにもない非日常的な空間にただ身を置くものだった。キャンプ場は寝泊まりさえできればいい「巣」みたいなもので、楽しみはその外に求めるものだった。ところが、それとはまったく別の定住型のキャンプがここにある。まるでカンポフェリーチェという「村」の住人になった気分だ。

 朝から晩まで野外で過ごし、自炊もし、気の向くままに1日を過ごす。キャンプには自分たちの手で休暇を作り上げているという独特の充足感がある。そこに快適さも求めるなら、高級キャンプ場を休暇の目的地にする価値はある。カンポフェリーチェには大人にも子どもにもフェリーチェな(幸せな/楽しい)時間が溢れていた。

 次回はキャンプ中に訪れたヴェルザスカ谷とマッジア谷についてお伝えしたい。

中村クネヒト友紀

プロフィール:中村クネヒト友紀

神奈川県出身。ドイツ語圏に住み始めてあっという間に10年目。スイスには2007年に移住。ドイツ人の夫とちびっ子2人と共にチューリヒ市近郊に暮らす。「手作り」好き。中でも手織り歴は長く、近頃はパン作りにもはまっている。第2子の出産に伴いブログは1年以上お休みをいただいていたが、2013年7月から再開。ブログも「手作り」をキーワードにスイスを掘り下げてみたい。

インフォボックス終わり


リンク

×