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クラン=モンタナ・フォーラム開幕

クラン=モンタナ・フォーラム swissinfo.ch

ヴァリス州のアルプス・リゾート、クラン=モンタナで27日、第13回クラン=モンタナ・フォーラム年次総会が開幕した。「社会的責任」がテーマの今年の総会には、世界の政官財各界から1200人が出席し、EU拡大、アフリカ湖水地域の安全保障、イスラム世界の女性の役割などについて討議し意見交換をする。

30日の中東和平に関する本会議には、パレスチナ自治政府のアラファト議長が参加する。アラファト議長に課せられている行動規制により、議長はヨルダン川西岸ラマラの議長府から衛星中継による参加となる。スイス閣僚からはジョセフ・ダイス外相、パスカル・クシュパン経済相が出席、クシュパン経済相は、企業の社会的責任、アラブ経済とスイスの関係についてのセッションで議長をつとめる。

フォーラムでは、企業の社会的責任、グローバリゼーションの人間的な側面に関する様々なトピックのセッションが設けられている。米市民運動家のジェシー・ジャクソン氏は、「暴力との戦い」を訴える演説を行い、中東での当事者同士の抗争停止と紛争終結に導く第三者を見つけることを呼び掛けた。さらに、ジャクソン氏は、暴力の主要因は貧困であるとし、公正なグローバリゼーション – 富を中和するグローバリゼーション – を呼び掛けた。

クラン=モンタナ・フォーラムでは、これまで大きな反対デモなどはなかった。が、今年は大規模な反グローバリゼーション・デモが行われそうだ。反グローバリゼーション・グループらは、反対デモのため30日にクラン=モンタナへ集結するよう呼び掛けている。が、フォーラムの創設者で現委員長のJean-Paul Carteron氏は、たとえクラン=モンタナで反グローバリゼーション・デモが行われても、昨年ダボスで開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)で起きたようなデモ隊と警官隊との衝突には発展しないだろうという。「クラン=モンタナはグローバリゼーションに批判的なフォーラムだ。」というCarteron氏は、各国がグローバルな意志決定過程で独自の立場を示すべきだとのフォーラムの基本理念をあげる。Carteron氏は、フォーラムの目標はより人間的なグローバリゼーションの実現で、反対する権利は「侵すべからざる権利」と述べた。そして、法と秩序を尊重した建設的なデモなら、自分自身も参加するかもしれないと語った。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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