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スイスに進出する魅力 高級化志向のEIZO

日本で一度引退し、改めてスイスの子会社のCEOとして就任した荒田邦裕氏の目は世界とスイスに向いている

(swissinfo.ch)

スイスの企業が外国資本に買収されるケースが目立って報告されている。2005年下半期、日本からスイスの企業に敵対買収が仕掛られたことも記憶に新しい。

しかし実際は、2004年で見ると、外国からの投資は前年の222億フラン(約2兆円)を大幅に下回り9億3200万フラン(約850億円)(スイス中銀統計)で、過去5年間の最低を記録した。

 日本からの投資はマイナス2億2900万フラン(約205億円)と2002年から連続して日本の資本は、スイスから撤退している。こうした中、株式会社ナナオは2005年、スイスの同社製品の独占代理店を買収しスイス現地販売会社Eizo Nanao AG(以下ナナオ)を創立した。現在、スイスの銀行、保険、連邦鉄道などの顧客に高級モニターを販売している。買収による会社の成功は現地化にあると断言する最高経営責任者(CEO)の荒田邦裕氏(60歳)にスイスでのビジネスについて聞いた。

swissinfo : なぜ今、スイスに進出を決定したのでしょうか。

荒田 : スイスには独占代理店がありましたが、メーカーであるわたしたちが直接市場と結びついていることは、顧客のニーズを把握する面で重要なことと考えています。

特にIT関連産業は発展のスピードが速いので、市場に近いところにいることが必要です。今回、スイスの代理店の社長が引退を希望していたこともあり、買収が成立したのでスイスに進出してきました。

買収したあくる日から商売ができました。従業員もこれまで通りで、オフィスも同じビルです。変わったことといえば、新しいCEOのわたしが日本から来て、日本の資本になったということだけです。

swissinfo : スイスの販売市場の特徴はなんでしょうか。

荒田 : 人口およそ740万人の小国スイスになぜ進出するのだとよく聞かれます。顧客がスイス国内に限られていると言えば、なおさらその疑問は深まるでしょう。

まず、ヨーロッパは南に行くほど価格競争が激しくなります。一方、北に行くほどクオリティが要求されます。スイスでは金融界、連邦鉄道、テレビ局などが主な顧客です。いすれも高質のモニターを必要としています。たとえば銀行のディーリングルームに置かれるモニターは24時間、1年365日、つけっぱなしにして使います。また、電車による振動が常にある駅で使われるモニターも振動の負担に耐えられる機械でなければ困ります。また、テレビ局は、画質が綺麗で、色の微妙な差を求めます。スイスは欧州諸国の中でも、私たちにとってドイツに次ぐ市場のひとつなのです。

swissinfo : スイスを拠点として国外に進出することは考えていますか。

荒田 : 高級品に対するニーズがあるスイス市場をこれまで、代理店を通して私たちは20年間育ててきました。まず、その市場を守りたいという気持ちがあります。
また、スイスの市場を通して、ほかの欧州諸国のニーズを知ることができると思っています。代理店を通してではなく、直接わたしたちが顧客の情報をくみ出し、吸収し、商品開発に役立てるようになるでしょう。スイスの子会社は販売と共に市場調査の使命があります。

swissinfo : 非EU国としてのスイスに子会社を持つことのメリットはありますか。

荒田 : 不利であることは感じていません。メリットは、スイスはEUが規制した事柄に一歩遅れて、追従することです。たとえば関税。EUでは現在関税率0%であるモニターにテレビ同様の14%の課税をしようという動きがあります。コンピュータ用のモニターもテレビのモニターとして使えるようになってきたからです。スイスはそういった動きは今のところなく、すべて無課税です。日本と自由貿易協定を結ぶという動きもあるようですが、わたしたちの場合、現状に満足しています。

swissinfo : ビジネスマンとしてのスイス人に対して意見はありますか。

荒田 : 私は2005年6月にスイスに来ました。当初、スイス人は日本人に似て勤勉であり、共通点が多いと思いました。7カ月ほどして分かってきたことですが、スイス人は新しいことに対して保守的な人が多いように見受けます。新しいものを先取りするという意気込みが必要なIT関連企業にとっては、意識して自分を変えていかない限り、不利な性格ではないかと思います。どんどん、新しいことに踏み出せるようになって欲しいものです。

swissinfo : 日本の企業がスイスで成功する秘訣はなんでしょうか。

荒田 : 現地化でしょうね。ナナオはスイス人に技術を伝え、子会社は将来、できたらスイス人に運営してもらおうとしています。日本だろうが、スイスだろうが、人を動かし、会社を動かすことには、7割ほどは共通したものがあります。わたしたちの海外の子会社の米国社もスウェーデン社もCEOは現地の人です。経理マンとCEOはせめて日本人をと考える会社が多いと思いますが、頻繁に海外の子会社と行き来をすることと、オープンな社風を作ることで完全現地化することが望ましいと思っています。

swissinfo、 聞き手 佐藤夕美(さとうゆうみ) 

キーワード

株式会社ナナオ
創立年1968年
資本金4,425,745,500円
売上高(2005年3月期)886億円
従業員数1219名
海外子会社 米国、スウェーデン、スイス

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