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スイスの観光業、フラン高で見直しを迫られる

再度のフラン高。スイスの観光業界は、観光客を引き寄せ、かつ業界で生き残っていくための新たな戦略を模索している。

スイスのホテル経営者の間で不安が広がっている。過去3年間行われてきた、対ユーロの上限を1.20フラン(約150円)とする為替介入が突如撤廃されたからだ。スイス国立銀行(スイス中銀)のこの決断に、多くの人がビジネスに与える影響を懸念している。

一夜で、ユーロ圏から訪れる観光客にとってフランは15%値上がりし、またスイス人が国外で休暇を過ごす場合は15%得をするという状況に一変。結果として、スイスのホテルでは宿泊のキャンセルが相次ぎ、新しい予約はほとんど来ない状況だ。

リゾート地アローザでは、観光客を引き寄せるため、子ども向けのスキースクールなどの無料プログラムを実施している。これは2011年に初めてユーロが急落した後に登場したもの。それ以来、宿泊する家族連れが増加している。

ヴァリス(ヴァレー)州のホテル経営者マークス・シュミット氏は、フラン高と戦う上で最も効果的な方法は、スタッフの人件費を削ることだという。そうすれば低価格で部屋を提供できるからだ。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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