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スイス人ビジネスマン リビアから帰国

14日深夜、2年ぶりにスイスへ帰国したマックス・ゲルディ氏と空港に出迎えた母親 AFP

2年間近くリビアに拘束されていたスイスのビジネスマン、マックス・ゲルディ氏が6月14日午前1時半、チューリヒ国際空港に降り立ち、家族の出迎えを受けた。

ゲルディ氏は、リビアで新たな協定の署名に臨んだミシュリン・カルミ・レ外相とともにスイスに帰国した。

ヨーロッパの協力の下に

 ゲルディ氏の家族は後のインタビューで
「2年間会うことができなかったので、喜びはひとしお。待ち続け、不安と希望が入り混じったこの長い時間がようやく終わって、うれしさは言葉では言い表せないくらいです。マックスがわたしたちの元に戻り、これから家族の中で静かに過去の辛苦から回復できることをとてもうれしく思います」
 と述べた。

 カルミ・レ外相もまた
「ほっとした。ゲルディ氏や彼の家族と喜びを分かち合っている」
 と記者向けの文書を通じて発表した。

 ゲルディ氏は13日にリビアを出国し、チュニス経由でカルミ・レ外相とともにスイスに帰国した。カルミ・レ外相は同日、首都トリポリでリビアと今後の行動計画に署名し、その後、ゲルディ氏の帰還が可能になった。ゲルディ氏の解放には、スペインのミグエル・アンヘル・モラティノス外相やイタリアのシルヴィオ・ベルルスコーニ首相などの協力もあった。

カダフィ大佐と面談

 カルミ・レ外相はトリポリで、リビアとスイス間の問題を解決するための行動計画を発表した。この中で新たにハニバル・カダフィ氏逮捕に関する仲裁裁判所による検証、およびゲルディ氏の出国手続きの迅速化が取り決められた。仲裁裁判所による検証については、2009年8月20日、当時のハンス・ルドルフ・メルツ連邦大統領がすでに同意している。

 リビア、スイス、スペイン、ドイツが署名した行動計画ではさらに、2009年9月にジュネーブ州の日刊新聞「トリビューン・ド・ジュネーブ ( Tribune de Genève ) 」がハニバル・カダフィ氏の写真を「違法に」掲載したことについて次のように取り決められた。
「スイス政府は、ハニバル・カダフィ氏の写真の違法公開について謝罪する。 ( 中略 ) 写真の公開は、スイスの法律が定める守秘性?が崩壊したことを意味している。ジュネーブ州政府は同写真の公開を遺憾に思い、これに対する責任を認める。この件に関しては法的調査を実施し、スイス当局はその責任者を起訴する義務を負う」

 外電によると、リビアの最高指導者、ムアンマル・カダフィ大佐は13日夜、大佐専用の営舎テントでカルミ・レ外相と面談した。ベルルスコーニ伊首相をはじめ、リビアのコウサ外相、スペインのモラティノス外相、マルタのトニオ・ボルグ外相、スロベニアのボルト・パホル首相、マルタのローレンス・ゴンツィ首相も同席した。

swissinfo.ch、外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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