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スイス対米国、チーズ戦争

米国はエメンタールチーズの穴を小さくするよう圧力をかけ、スイスの生産者の逆鱗に触れてしまった。

米国はエメンタールチーズの穴を小さくするよう圧力をかけ、スイスの生産者の逆鱗に触れてしまった。

USDAは、エメンタールチーズの穴(または目)を小さくする提案を議会に提出、スイスの生産者側は米国に輸出されるチーズの味と質を落とすことになると戦っている。提案が承認され、スイスの生産者が穴を縮小しなければ、品質審査にパスしなかったとして罰せられるという。米国はエメンタールチーズ市場の10%を占めており、輸出先4位だ。

先月発表された提案によると、米国はエメンタールチーズの穴を現行の17.5mmー20.5mmから9.5mmー20.5mmに縮小するよう要請するという。USDAは、9月半ばまでにスイス側の提案に対するコメントが欲しいとしており、11月には要請を受け入れ穴を縮小するよう期待しているという。米側は、現行の穴のサイズの幅が狭すぎるとしている。チーズメーカーが現行のサイズで製造するのに問題はないとしても、現代のチーズナイフで切るのに適しておらず、消費者はより小さい穴が好ましいと指摘しているからと、要請の理由を説明している。

これに対し、エメンターラースイス社のペーター=アイシェンベルガー社長は、エメンタールチーズの穴は、味と関係があるという。長い歴史から落ち着いた現行の穴のサイズは、絶対に変えるべきではない。変えたら、味が変わってしまうと訴える。

理屈の上では、米国が要請しているサイズ変更はただ幅が広げられるだけなので、スイスの生産者は従来通りのサイズでチーズを作れる。が、USDAは、穴を縮小しないチーズは品質が悪いものと見なすという。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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