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スイス・リー赤字

最高経営責任者 ( CEO ) のシュテファン・リッペ氏が8月5日、第2四半期の赤字決算を報告。 Keystone

スイスの再保険会社「スイス・リー」は第2四半期、3億8100万フラン ( 約340億円 ) の純損失を計上した。原因は価値の修正や「保険つなぎ」で評価損が発生したため。8月5日には、世界に73ある支店のうち14カ所を閉鎖すると発表した。

この損失は意外な結果だった。スイスのAWP通信社によると、複数のアナリストが行った査定の平均では、数字に大きな開きがあったとはいえ、2億1500万フラン ( 約190億円 ) の純利益が出る見込みだった。

支店閉鎖で再構築費節減

 前年同期、スイス・リー ( Swiss Re ) は5億6400万フラン ( 約500億円 ) の純利益を計上した。同社の発表によると、今期の損失には大きな要素が3つある。

 まず第1に、企業への融資の保険つなぎで11億フラン ( 約980億円 ) の評価損が発生したこと。第2に、文書で保証された商品などの価値の修正によって、約6億フラン ( 約540億円 ) のマイナスが生じたこと。そして第3に、第2四半期の間にスイス・リーに対する信用力が非常に高まり、そのため逆に4億3100万フラン ( 約380億円 ) の評価損を計上したことだ。

 このためスイス・リーは、コスト削減に向けて世界に73カ所ある支店のうち14カ所をすでに閉鎖し始めた。この対策によって、今年上半期には、再構築費3億フラン ( 約270億円 ) 以上を節約したという。

 今年4月、スイス・リーは世界中で合計1200人の人員削減を行うと発表した。これによって、来年末までに経営費約4億フラン ( 約360億円 ) を節減する予定だ。
 
swissinfo.ch、外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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