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ダボスに集まる世界の目

WEF開催で世界の目がダボスとスイスに集まる Reuters

今年の「世界経済フォーラム ( WEF ) 」ダボス会議の中心テーマは、グローバル化、株式市場の危機、気候の変動だ。

1月23日朝から始まる第38回WEFには、世界各国の政界や経済界、各種団体から2500人が参加する予定だ。開催は27日まで。

各領域のつながりをアピール

 開幕直前に株式市場が世界的に下落して話題をさらっているが、
「今年のダボス会議でも、気候の変動や人権に関するテーマが軽視されることはない」
と、副ディレクターを務めるアンドレ・シュナイダー氏は保証する。確かに、参加者リストには2007年のノーベル平和賞受賞者のアル・ゴア氏と気候変動に関する政府間パネル ( IPCC ) のラジェンドラ・パチャウリ議長も名を連ねている。

 今年の会議では、気候や人権に関わる問題と経済の間には密接なつながりがあることを各界の要人に理解してもらうことも目的の1つだ。ある領域で発生した危機が他の領域まで入り込んでドミノ倒しのような連鎖反応が起こらないように、透明性とルールを確立する必要があるとシュナイダー氏は説く。

 一方、WEFにはデモもつきもの。今年も開幕直前の週末、首都ベルンで反グローバル化団体がデモを行い、242人が一時身柄を拘束された。しかし、全体的にはWEFに対する批判は弱まっている。シュナイダー氏はこれを、WEFという意見交換の場が認められてきた証しだとみる。

 実質的には23日朝から会議が催されているが、公式には同日の夕方、スイスのパスカル・クシュパン連邦大統領とアメリカのコンドリーザ・ライス外相によって開幕する。日本からも福田首相と民主党の小沢代表が会議に参加する予定だ。

swissinfo、外電

WEFは1971年、「マネジメント・シンポジウム」という名前でクラウス・シュワブ氏によってダボスに創立された。

本部はジュネーブ州コロニー市 ( Cologny ) 。職員数は290人。

年間予算は1億フラン ( 約97億円 ) を上回り、大部分は企業およそ1000社からの寄付によって賄われている。

WEFは、各界の要人が一堂に会した世界初の意見交換の場であると自負している。

WEFは世界各国でシンポジウムを開催、イニシアチブやワークグループを支援するほか、さまざまな研究を行っている。また、修士コースも提供している。

2008年のWEFダボス会議の開催日は1月23日から27日まで。モットーは「協力による革新力 ( The Power of collaborative innovation ) 」。

会議には国家主席27人、大臣113人、国際機関の代表者、企業経営者1370人が参加、うち世界100大企業に入る企業は74社。宗教、文化、NGOからも340人が参加する。

スイス連邦政府は、エヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ新大臣を除いて全員が会議に出席する。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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