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メルツ大統領 リビアに謝罪

Keystone

ハンス・ルドルフ・メルツ大統領はリビアの首都トリポリで8月20日、2008年夏に起きたリビアの最高指導者ムアンマル・カダフィ大佐の息子ハニバル・カダフィ氏逮捕事件に対し、謝罪した。

このコンテンツは 2009/08/21 10:36

この謝罪により、リビアに拘束されている2人のスイス人は9月1日以前にスイスに帰国することが約束された。

外交の正常化

「リビアの外交官がジュネーブの警察に不当に逮捕されたことに対し、リビアの国民に心から謝罪の意を表したい」
とメルツ大統領は2国の共同記者会見で述べた。

これを受け、リビアのバグダディ・アリ・マハムーディ首相は、2国間関係が「正常な状態に戻った」と述べ、ジュネーブにおける「悲劇的出来事」を検討する共同の委員会を設置することで合意したと結んだ。

この「悲劇的出来事」とは、昨年7月15日カダフィ大佐の息子ハニバル・カダフィ氏とその夫人が使用人に対する障害、恐喝などで、ジュネーブ警察によって逮捕されたことを指す。カダフィ氏らはその後保釈金を支払って釈放されたが、リビア側は名誉を傷つけられたとしてスイスへの原油の輸出停止やスイスのビジネスマン2人を逮捕するなどの報復措置に出た。

その後、同事件はスイス、リビア2国間の外交問題に発展し、リビア側との交渉は難航していた。

法的な問題と名誉の問題

さらにメルツ大統領は記者会見で、カダフィ氏逮捕の状況を検討するため、両国がそれぞれ独立した裁判を開くとも述べ、
「ハニバル・カダフィ氏とその家族の不当で必要性のないジュネーブ警察による逮捕に対し、スイスは法的に謝罪する準備が出来ている」
と付け加えた。

ジュネーブの検察側は、2008年7月に「州の法の独立と平等」を強調し、この事件を連邦外務省やほかの国際機関の圧力に屈することなく取り扱うと主張していたが、9月にカダフィ氏の使用人が告訴取り下げを行ったことを受け、「傷害、恐喝罪は被害者が告訴を取り下げた段階で検察側の手を離れる」として、事件に終止符を打っている。

一方、ジュネーブ州知事ダビッド・イレール氏は2009年1月の段階で、
「逮捕において法的規定は守られていた。国際法に照らしても法を犯してはいない。ただ逮捕のやり方に柔軟性がなかった」
と述べている。

ミシュリン・カルミ・レ外務相は、両国の難航する外交関係に
「スイスにとっては法的な問題だが、リビアにとっては名誉の問題になっている」
とコメントしていた。

swissinfo.ch、外電

事件の経緯

2008年7月15日 リビアの最高指導者ムアンマル・ガダフィ大佐の息子ハニバル・ガダフィ氏と妊娠中の夫人がジュネーブで逮捕される。容疑は使用人に対する障害、恐喝など。
7月17日 逮捕後2日で夫婦は釈放される。
7月19日 リビア政府、2人のスイス人を逮捕。容疑は入国・滞在規範違反。
7月22日 ミシュリン・カルミ・レ外相、電話でリビア政府に抗議。
7月23日 リビア政府、スイスへの石油輸出を停止すると脅す。
7月25日 スイス外務省が2国間の関係の「たいへんな非常事態」と発表。
7月26日 リビア政府がスイス政府に対し、謝罪と今回の事件についての事情説明を要求。
7月28日 スイス、リビア両政府の直接交渉が行われる。
7月29日 保釈金が支払われ、2人のスイス人は解放される。しかし帰国は許可されなかった。
8月13日、使用人2人の弁護士、告訴を取り下げないと発表。
9月2日、被害者の使用人2人が告訴を取り下げる。
9月3日、ジュネーブ州の検事総長ダニエル・ザペリ氏が事件に終止符を打つ。

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