世界一物価の高い都市

ビックマックを１個買うのに東京では10分、ナイロビでは３時間働かなければならない。 Keystone

スイス大手銀行UBSが行った最新の「物価と収入」の調査結果では物価の最も高い都市はオスロ。次はコペンハーゲンで東京は３位に輝いた。スイスではチューリヒ、バーゼル、ジュネーブ、ルガノの４都市がトップテンに入った。

同調査によるとスイスの都市に住む人々は世界でもっとも購買力がある。これは他の欧州都市と比較して物価が高くても変わらない。東京は物価が高い割には賃金が17位と低く、このため購買力が20位とさらに低くなっている。

UBSの調査は商品やサービスの値段、賃金や労働時間などを世界７１都市を比較調査したもの。最終的な総合調査は2006年に出る。今回は2003年の調査結果をもとに為替相場、インフレや経済成長を考慮して計算したものだ。

家賃が高いのはニューヨークとロンドン

　オスロは前回の2003年の調査と同様、物価の高さで１位を占めた。チューリヒ（100）を指標に比べるとオスロ（115.5）では消費者物価が15.５％も高い。そして、東京（101.3）の物価は世界で3番目に高いことになる。チューリヒのあとにはロンドン（99）、ストックホルム（98.3）、バーゼル（97.5）、パリ（96.1）、ジュネーブ（95.6）と続く。

　家賃を含んだ生活費をみてみると、１位はロンドン（122.4）が断然高く、続いてオスロ（109.4）、ニューヨーク（105）で東京は4位（104.6）になる。前回の調査では香港が2位だったが、今年は16位に落ちた。

働くにはコペンハーゲン

　物価の高い都市では賃金もそれに見合っているかどうかを見てみると、賃金が最も高いのはコペンハーゲン（105.7）、チューリヒ（100）、バーゼル（97.7）、オスロ（94）、ジュネーブ（91.1）とトップの都市の顔ぶれは変わらない。しかし、物価が高い東京は賃金では17位（65.6）と低い。

　賃金を手取りでみてみると、コペンハーゲンは税金が高いためか7位（79.9）に下がってしまう。

　前回、賃金の高さが世界第1位に輝いたチューリヒだが、コペンハーゲンに抜かれた理由はデンマーククローネに対するスイスフランの為替相場やデンマークのインフレ、経済成長などが挙げられている。

購買力が最も高いチューリヒ

　購買力でみてみると、チューリヒ、バーゼル、ジュネーブ、ルガノなどのスイス都市が断然、強い。この他、ルクセンブルグ、ロサンジェルス、マイアミ、シカゴなども世界平均の50％〜60％を上回る購買力がある。東京は20位（66.7）と低い。

ビックマックでみてみると

　マクドナルドのハンバーガー、ビックマック1個のそれぞれの国での値段はその国の経済力を測る指標になると言われる。UBS調査ではビックマックを1個買うのに必要な労働時間を計算した。すると、シカゴでは9分、東京、ロサンジェルス、マイアミでは10分働く必要があるのにたいして、カラチでは2時間20分、ナイロビでは3時間働かなければならないという。

　賃金が高く、ほどほどの生活費を払い、ビックマックを買わないで済むにはどこに住めばいいか。その調査はまだ行われていない。


swissinfo　　屋山明乃（ややまあけの）

補足情報

＜UBS調査による世界71都市比較—チューリヒを100とする＞

物価が高い都市トップテン

1.　オスロ　（115.5）　
2.　コペンハーゲン　（105.1）
3.　東京　（101.3）　家賃を含めると４位
4.　チューリヒ　（100）
5.　ロンドン　（99）家賃を含めると１位
6.　ストックホルム　（98.3）
7.　バーゼル　（97.5）
8.　パリ　（96.1）
9.　ジュネーブ　（95.6）
10.　ルガノ　（93.9）
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最下位　ムンバイ（ボンベイ/28.2）

注）ニューヨークは13位だが、家賃を含めると３位に。



賃金の高い都市トップテン

1.　コペンハーゲン　（105.7）しかし税金を引いた手取りでは7位に
2.　チューリヒ　（100）
3.　バーゼル　（97.7）
4.　オスロ　（94.0）
5.　ジュネーブ　（91.1）
6.　ルガノ　（84.3）
7.　ニューヨーク　（76.0）
8.　ルクセンブルグ　（75.5）
9.　シカゴ　（74.1）
10.　フランクフルト　（74）
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17．東京　（65.6）手取りでは11位に
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最下位　カラチ　（3.1）