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国民投票 障害者保険とイニシアチブの改正共に承認

(Keystone)

9月27日に行われた国民投票では、累積赤字130億フラン ( 約1兆1400億円 ) を抱える障害者保険の補てんと国民の発議であるイニシアチブの改正が国民に問われた。

その結果、障害者保険を付加価値税の引き上げで補てんする案は、国民の賛成54.5% と州の過半数の賛成で承認され、一方イニシアチブの改正案も国民の賛成67.9% と全州の賛成で承認された。

付加価値税の引き上げ

 スイスの障害者保険 ( IV/AI ) は、 身体の障害で働けなくなった人に対し、月額最高2210フラン ( 約22万円 ) を支給する保険制度。労働者の給料の1.4% を労働者と雇用者が折半で負担し、この資金で保険の4割を、残り6割を公的基金が賄ってきた。しかし、ここ10数年間で受給者数が急増。累積赤字130億フラン ( 約1兆1400億円 ) を抱えるまでになった。

 社会保険局 ( BSV / OFAS )によると、高齢になり職が見つからない、または職を失う恐れなどで鬱 (うつ) 病などの精神障害に陥る人が増加しており、このカテゴリーの受給者が全体に占める比率は、1997年の28% から現在ほぼ40% に増加しているという。

 対策として政府は、早期発見、早期治療で障害を労働者と雇用者が一緒に解決していき、障害の程度に応じた職を積極的に見つけるなどを奨励する改正案を2007年に提示。国民はこれに賛成し、2008年から実施されてきた。

 しかし今回政府は、同改正案だけでは膨大な赤字を埋めるまでに至らないと判断し、2011年から2017年までの期限付きで、付加価値税を現行の7.6% から8.0% に引き上げ障害者保険に充てる提案をした ( 食品など日用品は現行の2.4% から2.5%、ホテル業界は3.6% から3.8% に引き上げる ) 。

 その結果、付加価値税引き上げで障害者保険を補てんする案は、国民の賛成54.5% と州の過半数の賛成で承認された。

 憲法改正を問う国民投票は、強制的レファレンダムと呼ばれ、国民だけではなく州の過半数の賛成が必要だが、今回、アッペンツェル・インナーローデン州が63%で反対するなど、ドイツ語圏の州に反対が多く、最終的には12の州と一つの準州が賛成し、反対の11州を僅かに上回り、承認された。

 なお、障害者を支援する団体「アジル ( Agile ) 」の事務局長、シリル・ミツライ氏は、「この承認は、10年間待ち続けた障害者保険の補てん方法だ」と喜びを語った。

イニシアチブ改正案

 一方、スイスの国民投票の一つの形式に、国民からの発議で、10万人分の署名を18カ月以内に集めることで国民投票にかけ、国民の是非を問うイニシアチブがある。

 政府は2003年、このイニシアチブで問われる内容を、憲法改正のみではなく法律の制定、改正なども含むよう拡大修正し「全般的イニシアチブ」として、国民の政治参加への範囲を拡大した。

 こうして「全般的イニシアチブ」は国民投票で承認され実施されてきたが、実際にはイニシアチブが国民に承認された後で、それが実施に至るまでに複雑な経緯と時間がかかることがここ数年間で明らかになった。複雑な経緯の主なものは、イニチアチブの承認後に連邦議会の国民議会 (下院 ) と全州議会 ( 上院 ) 両方の承認が必要だという制度だ。

 そのため政府は「全般的イニシアチブ」を廃止し、憲法の一部改正のみを要求できるイニシアチブにするよう提案し、連邦議会も各政党もほぼ全員一致で同案に賛成していた。

 ただ、問題が複雑なため2003年と同様今回の改正案でも国民の理解度は低く、ジーエフエス (gfs ) の調査でも、賛否を決定していない人が9月に入ってからも39% いた。しかし最終的には、国民の67.9% の賛成と全州の圧倒的な賛成で承認された。

 なお、今回の全体の投票率は前回より増加し、40% だった。

里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 、swissinfo.ch

障害者保険の補てん

障害者保険の補てんとして、2011年から2017年までの期限付きで、付加価値税を現行の7.6% から8.0% に引き上げることが国民に問われた。

食品、本、医薬品、など日用品の引き上げ率は低く保たれ、現行の2.4% から2.5%に、一方ホテル業界は3.6% から3.8% に引き上げられる。

実施予定は、2010年1月1日からだったが、不景気を背景にした経済界からの圧力で、2011年1月1日から実施される。

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国民投票

スイスの国民投票にはイニシアチブ、強制的レファレンダム、随意のレファレンダムの三つの形がある。

イニシアチブは国民からの発議で、10万人分の署名を18カ月以内に集めることにより、国民投票にかける。承認には国民と州の数の両方の賛成過半数を得ることが必要となる。

レファレンダムは連邦議会の決定に対する国民の事後審判として実施する国民投票のこと。強制的レファレンダム ( 憲法改正、国際機関の加盟など連邦憲法の改正にあたるもの ) と随意のレファレンダム ( 新法や法の改正など ) と2種類がある。

強制的レファレンダムは自動的に、随意のレファレンダムは連邦議会の決定後、再審議を求める公文書が発表されてから3カ月以内に5万人の署名を集めることにより、国民投票が実施される。

強制的レファレンダムの承認には国民と州の両方の過半数の賛成が必要だが、随意のレファレンダムは国民の過半数の賛成だけが必要となる。

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