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国立銀行、来年の経済成長予測を下方修正

スイス国立銀行(SNB)は、来年の経済成長予測を2%から1%へ下方修正した。

ブルーノ・ゲーリグSNB副総裁は30日、独フランクフルトのスイス・ドイツ経済クラブで、世界経済の落ち込みから、来年のスイスの経済成長率を8月当時の予測2%から半分の1%へと下方修正した旨を発表した。ゲーリグ副総裁は、「過去の経験から、世界経済の動向がスイス経済に大きな影響を及ぼす事は明白だ」とし、8月と9月、特に9月の対外貿易はスイス経済が著しく弱くなっている事を示していると述べた。さらに、スイスの最大貿易相手国であるドイツの今年と来年の経済成長は、独経済の能力以下に留まるだろうと述べた。一方で、スイスの他の経済成長指数は比較的高水準を維持していると、ゲーリグ副総裁はいう。特に、低い失業率(9月=1.7%)が世帯の消費と消費者心理を支えていると、ゲーリグ副総裁は指摘した。

また、金融政策に関しては、経済の先行きが不透明なこの時期、SNBは外国為替に注目していると語った。SNBは9月、スイスフラン急騰を抑えるため3ヵ月LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)ターゲットレンジを0.5%下げた1.75から2.75に引き下げた。以来、1スイスフラン=1.48ユーロ前後で安定しているが、レートの安定はSNBの金融政策の結果であるのか金融市場の正常化のせいかは判断し難いと、ゲールグ副総裁はいう。また、ゲーリグ副総裁は、来年1月のユーロ通貨導入開始後も、SNBは抜本的な改革を行う計画はないとも述べた。そして、ユーロは、経済的には3年前からすでに実質的に導入されており、欧州単一通貨はスイスの金融政策の独立性に影響を与えないと語った。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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