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国連人権理事会、産みの苦しみ

人権理事会でようやく人権危機の直面している、スーダンのダルフール問題に関する決議案を採択することができた

(Keystone)

ジュネーブで行われた人権理事会の第4期は難しい政治的交渉で難航しながら幕を閉じた。国際法の専門家、アンドリュ・クラハム教授によると各国が集まるこのような機関で、政治的な束縛はやむを得ないという。

「人権と人道アカデミー」の次期所長であるクラハム教授はこの困難を経てこそ、今後の人権理事会の枠組み作りに進展があるとみる。クラハム教授へのインタビュー。

 人権理事会の交渉協議は、最後の追い込みにはいっている。スイスの強いイニシアチブで立ち上げられたこの新しい機関は、6月までにどのような枠組みや手続きを取るか。骨格作りを終えなければならない。 

 具体的には前身の人権委員会から特別報告官、人権小委員会などどのような制度を引き継ぎ、どういう新しい制度を取り入れるかを協議中だ。

swissinfo : 人権理事会の理事国は共通の利害を持つ国家が連合すると非難されますが、北対南、途上国対先進国といった構造はあるのですか。

クラハム : 時として、ある国が理事会で一定のグループを代表して発言することがあります。欧州連合 ( EU ) などがそうです。また、アフリカ諸国やイスラム諸国が同様の行為を行うこともありますが、いつもというわけではありません。

私のみたところでは、理事国は枠組みや手続きについては連合する傾向が薄れています。

一方、イスラエルに関する協議やダルフール問題について連合する動きは少しみられました。 

swissinfo : 安全保障理事会と人権理事会の間に相互作用があるように思えますが。

クラハム : 確かに、幾つかの国々は人権理事会を安全保障理事会の埋め合わせの場所にしていると言われています。国連の安全保障理事会で通すことのできなかった決議案をこちらで通そうとするといった具合に、です。

例えば、ニューヨークでイスラエルに対する決議案に拒否権が行使されましたが、同じ案件が人権理事会に再び提出されました。

したがって、安全保障理事会の改革が失敗すれば、人権理事会が今後、このような対抗権力としての役割を与えられることになるでしょう。

swissinfo : そうなると人権問題がまた、政治的な道具として利用される危険はありますね。

クラハム : 人権機関に各国政府が集まれば、それは間違いなく自国の外交政策を弁護するでしょう。専門家や判事のようにこの問題に客観的にアプローチするわけではありません。したがって、人権問題が政治化するのはどうしても必然です。

私は新しくできる相互監視システムで独立した立場の専門家が参加でき、この制度に客観性を持たせることができることを望みます。これが成功すれば、世界中の人権状況を監視する制度が国連成立以来、初めてできることになります。

swissinfo, 聞き手、フレデリック・ビュルナン、屋山明乃 ( ややまあけの ) 意訳

スイスの人権問題

- 国連人権委員会から任命された人種差別特別報告官、ドゥドゥ・ディエン氏が今期の人権理事会でスイスに関する最終報告 ( 調査は2006年1月に行われた ) を発表した。

- ディエン報告官はスイスには「人種差別と外国人嫌いの動き」があり、「国家的にこの現実を認識していないために首尾一貫した政策が取られていない」と非難し、人種差別問題が「国内政治上利用」されていることも告発した。

- これに対し、連邦政府は「スイスに人種差別と外国人嫌いの動きがあるか否かについて、個別のケースをもとに一般的な結論を導き出すことは適当ではない」と反論した。しかし、スイスのブレズ・ゴデ国連大使は「スイスに人種差別は存在し、政府はこのことを認識している」と答えた。

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