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死んだ家畜の骨、肉を再利用した飼料の全面禁止論再燃

フランスは狂牛病予防対策として、家畜(ブタ、トリ)に食肉を取った牛の残骸(骨や肉)の粉末を混ぜた餌を与えることを停止した。スイスでも、家畜のリサイクル全面禁止をめぐる議論が再燃している。(写真:1キロの牛肉製造は1キロの残骸を出す)

このコンテンツは 2000/11/15 09:11

フランスは狂牛病予防対策として、家畜(ブタ、トリ)に食肉を取った牛の残骸(骨や肉)の粉末を混ぜた餌を与えることを停止した。スイスでも、家畜のリサイクル全面禁止をめぐる議論が再燃している。(写真:1キロの牛肉製造は1キロの残骸を出す)

死んだ動物の肉や骨を粉末にして、家畜の餌として再利用することは、一般に広く行われているが、狂牛病の原因の1つではないかという疑いが強い。スイスでは1990年に、この種の餌の使用を禁止したが、規制強化への動きがある。

1キロの牛肉製造は、1キロの残骸を出す。そして、そのほとんどは、粉末にし家畜用の飼料に混入される。スイスでは、毎年約10万トンの残骸が出るが、そのうち国内市場で処理されるのはたった5、000トンで、残りはドイツ、デンマーク、オランダに輸出される。狂牛病とクロイツフェルト・ヤコブ病の感染の関連性が指摘されてから、このリサイクル飼料で餌付けされた食肉に対する消費者の恐怖は増している。

スイスがこの種の餌を全面禁止すると、次のような問題が起こる。飼の新しい調達法を考えなければならないし、今まで国内市場で処理していた5、000トンのリサイクルフードを廃棄しなければならなくなる。

連邦獣医畜産局のハインツ・ミュラー氏は、ブタとトリのリサイクルフード禁止計画はスイスでも検討されているとし、次ぎのように語った。「問題は、現在豚やトリの餌として使用している5、000トンを国内で禁止した場合、同じ物を輸出する事が倫理的に許されるのかということだ。感染の危険性があると思われる場合には尚更問われる。」ミュラー氏は、リサイクルフードの輸出全面禁止を考慮する必要性もあると言う。

輸出が禁止された場合には、スイスはリサイクルフードの山をどうしたらいいのかという新たな問題が生じる。連邦獣医畜産局では、焼却処分を検討しているが費用がかかりすぎるという。今までのところ、焼却処分は環境上、倫理上、経済上、妥当な手段ではないとされている。が、クロイツフェルト・ヤコブ病の予防の抜本的な対策が必要だと、ミュラー氏は語った。

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