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進む自由貿易

特に産業界は自由貿易により恩恵を受けることになる

(Keystone)

昨年12月15日に韓国との間に交わされた自由貿易協定は3月15日に連邦議会の承認を得、本年7月1日には発効される予定だ。

スイスは欧州自由貿易連合(EFTA)の1国として15カ国と自由貿易協定を結んでいる。欧州諸国以外で見ると、今回の韓国はメキシコに次いで4カ国目。スイスは自由協定には意欲的で、今後とも日本などとの交渉も検討されている。

 スイスの経済は輸出で成り立っているといっても過言ではない。スイスの産業界にとって、関税の撤廃は大きな関心事である。連邦政府は1.欧州融合 2.多国からなる経済機関への加盟 3.自由貿易協定の締結の3つの柱を建てスイス経済の発展を進めていく方針だ。

増える自由貿易協定

 世界貿易機構(WTO)で2001年から発足した新ラウンド、ドーハ・ラウンドが難航している中、スイスはEFTAの一員として自由貿易協定を諸外国と結んでいる。今後も、新しい交渉をし続け積極的な態度で臨む姿勢だ。

 「EFTAに加盟して以降、特に1972年からスイスは自由貿易協定には積極的になり、90年代には締結数も増加した」と連邦経済省経済管轄局(seco)のクリスティアン・エッター長官は指摘する。以前は、東欧、地中海諸国との協定の締結に積極的であったが、現在は特に欧州諸国以外の地域との交渉に力を入れ、メキシコ(2001年)、シンガポール(2003年)、チリ(2004年)と協定を結び、2005年には韓国とも協定が成立した。現在、交渉中の主な国は、カナダ、タイ、エジプトであり、日本、ロシア、中国などとも今後交渉が本格化するであろうと見られる。

 「経済大国である米国、EU、日本などが多くの国と自由貿易協定を結ぼうとしている中、スイスが手をこまねいているわけにはいかない。出遅れると輸出産業における影響が大きい」とエッター長官は言う。世界的にも自由貿易協定の成立件数は増加の傾向にある。たとえばメキシコは1994年に米国と結んで以降、2000年にはEU、2001年にはEFTAと協定を結んだ。

WTOより二国間の協定に期待

 WTOは多種多様な国々を一つの協定の下にまとめようとする機関であるため、妥協点を見つけることがますます困難になってきている。関税撤廃については、長年の話し合いにもかかわらず、各国の合意に至っていない。しかも、グローバル化に反対するグループからの圧力も日増しに強くなるばかりだ。こうした事情から自由貿易を推し進めたい国は、二国間の交渉で目的を達しようとするのである。

 スイスの場合、自由貿易協定はEFTAを通して結ばれる場合がほとんどだ。「EFTAとして小国がまとまることで、世界の第10位から第12位の規模の経済地域として相手国からも重要視される。しかも、EFTAという限られた加盟国に対して特化したニーズを持った国々が提携を結ぼうとして交渉することも、有益な点である」とエッター長官は語る。

農業作物の自由化問題

 自由貿易がすべての産業に受け入れられているわけではない。特に関税によって保護されている農家の反対が根強くある。スイスは米国とも協定を結ぼうと積極的だったが、米国から安価な農作物が流入することに農家が強く反対し、今年1月には交渉を中断したばかりである。

 一方消費者にとっては、他のEU諸国より4割も高いといわれる農作物ばかりを買わされているのでは堪らないという気持ちもある。政府はEUと1972年から結ばれている農業分野における自由取引協定の内容を拡大する可能性について検討している。今後自由貿易の対象となる農作物は6万4000品。今後自由貿易が進めば、酪農家が活気付く一方で、穀物および野菜を栽培する農家は、生存にかかわる大問題となることは間違いない。

swissinfo、マルツィオ・ペスキア 佐藤夕美(さとうゆうみ)意訳

補足情報

- EFTAの加盟国 スイス、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー。
現在のEUに対抗するものとして1960年に創立した。

- スイスと自由貿易を結んでいる国 トルコ(1992年)、イスラエル(1993年)、ブルガリア(1994年)、ルーマニア(1994年)、モロッコ(1999年)、パレスチナ(1999年)、メキシコ(2001年)、ヨルダン(2002年)、クロアチア(2002年)、マケドニア(2002年)、レバノン(2004年)、チリ(2004年)、シンガポール(2003年)、チュニジア(2005年)、韓国(2005年)。交渉中の国 タイ、エジプト、カナダ。

- 現在交渉のために話し合いがもたれている国 日本、米国、インドネシア、アルジェリア、湾岸諸国、ロシアなど。

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キーワード

韓国との自由貿易協定 工業製品、例外を含む農作物、魚など全体的には9割以上の製品、農作物などの関税を最高10年間にわたって段階に撤廃する。
そのほか、サービス、投資、公共事業、知的財産権についても協定が結ばれた。

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