スイス中銀景気予想

12月10日、スイス中銀が発表したところによると、スイスの来年のインフレ率は0.5%、2011年には0.9%となるという。ただし、見通しは不安定で、世界の経済はいまだに大きく揺れると見られる。
今回の不況の原因となった金融界は、今後徐々に回復する見込みだが、再び金融危機に陥る可能性は否定できないとスイス中銀 ( SNB/スイス国立銀行 ) は注意を促している。
個人発行のフラン建て債券の買い控え
デフレになる恐れも引き続きあるが
「いずれにせよ、インフレ予測をもとに、中・長期の物価の安定を脅かすような通貨政策の緩和を引き続き行うことはできない」
とスイス中銀のプレスリリースを通し、その通貨政策を説明した。2010年の国内総生産 ( GNP ) 伸率は0.5%から1.0%と予測。政策金利である3カ月物金利は予想通り、0.25%と変動なしとなった。
ジャン・ピエール・ロート中銀総裁は
「通貨政策はこれまで通り。インフレの危険に対しては適宜対処しているが、通貨の番人としての見地からもフラン高だ。流通通貨量は増加のスピードが速くなっている」
と語った。
スイス中銀は流動性を保つため、引き続き大々的な通貨政策をとる方針だが、個人が発行するフラン建て債券の買いは控えると発表した。また、対ユーロで制限ラインを超えてフラン高になる場合は毅然として是正するという。
swissinfo.ch、外電

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