キングス・クラブの6人に判決
ベルンの経済犯罪裁判所は、独のねずみ講「ピラミッド計画」事件のヨーロピアン・キングス・クラブ・ベルン支部の7人に、懲役5ヵ月から14ヵ月執行猶予2年の判決を言い渡した。
ベルンの経済犯罪裁判所は、独のねずみ講「ピラミッド計画」事件のヨーロピアン・キングス・クラブ・ベルン支部の7人に、懲役5ヵ月から14ヵ月執行猶予2年の判決を言い渡した。
ヨーロピアン・キングス・クラブは1991年ドイツで設立された。ドイツ・マルクからユーロへの切り替えに対する人々の不安を悪用し、年利72%という高い利率を売り物に顧客を集め、1年後にはスイスにも進出した。
キングス・クラブは顧客に対し、1、400スイスフランの投資が1年後には2、400スイスフランになるという投資証書を発行していたが、実際は会員らは1ヵ月以内に15人を勧誘するという条件でクラブの入会資格を得ていただけだった。
「ピラミッド計画」は、新会員を勧誘し入会時の投資額を取る事によって、各会員への高利を賄っていた。が、1995年利回りを保証するのに十分な新会員を獲得できなくなり、破たんした。スイス、ドイツ、オーストリアで、94、000人が、総計6億スイスフラン(3億6、000万ドル)だまし取られた。スイスだけでも、被害者約3万人、被害総額3億スイスフランにのぼるという。
ベルン支部の7人(スイス人6人、イタリア人1人)は、ベルン州で約1、500人から1、750万スイスフランをだまし取るのに協力した詐欺罪、うちスイス人6人には銀行秘密保持法違反も加わり、それぞれ懲役5から14ヵ月執行猶予2年の判決が出された。
判決について、トーマス・マーラー主席裁判官は、「被告等はベルン支部で低い地位にあり、最初は被害者の1人だったが後に詐欺に協力するようなった。何人かは失業中で金もなかった。彼等は、むしろ銀行に騙されたと感じていたらしい。したがって、主犯格と比べて軽い刑になったのは当然だ。」と述べた。ベルン支部長らは、1997年に詐欺罪で逮捕され、それぞれ懲役16ヵ月から18ヵ月の実刑判決を受けている。

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