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#世界禁煙デー 評判悪いスイスの喫煙文化、観光業にダメージ?

Man with head in a cloud of smoke

この気持ち、想像できますか?――これはスイス連邦内務省保健局が作成した禁煙推奨ポスターだ

(Keystone)

スイスを訪れる観光客は大方のことには満足して帰るが、その例外はスイスの喫煙文化だ。この事実をスイス観光業界はどう認識しているのか?

「ただそこにいただけなのに、またも電車を降りた瞬間にタバコの煙。信じられない!」(ルイジさん)

「どこもかしこも信じられないほど喫煙者だらけ!そのせいで全て美しさが半減」(ロリさん)

これはswissinfo.chの読者アンケート「スイスでがっかりした体験」でどっさり寄せられた喫煙に関する不満のほんの一部だ。

「他の何をおいても許せなかったのはタバコ。スイス人は健康的だと聞いていたのに、喫煙者が多いしとにかくどこでも吸う。建物の出入り口のすぐそばでも吸うから、出入りするのに煙の壁を通り抜けなくちゃいけない。酷すぎる」(スーザンさん)

世界保健機関(WHO)の国際比較によると、スイスの喫煙率(2015年、男性)は26.9%。世界平均(36%)や日本(33.7%)よりは低いが、米国(19.5%)や英国(19.9%)、オーストラリア(16.7%)を上回る。

スイスでは2010年に施行された受動喫煙防止法により、オフィスや閉ざされた公共空間の喫煙が禁止されている。とはいえ、レストランのテラス席で隣のテーブルから漂う煙が食事を台無しにすることがよくある。ホテルやアパートのバルコニー、屋外のスポーツ・音楽施設でも同じ問題がある。最たる被害者は鉄道駅の利用者だ。

「あらゆるところにいる全ての喫煙者にはがっかり。特に鉄道駅はひどい」(アブリル・ハウザーさん)

「タバコの煙。全ての国は即刻一律禁止にすべき。それまで、少なくとも駅構内はホームもお店も禁煙にしてほしい」(マークさん)

電車内や駅の建物内は2005年に禁煙になったが、プラットホームでの喫煙は完全に合法だ。

喫煙を巡るスイスのルール

スイスでは2005年12月から電車の中や駅の建物内での喫煙が禁止となった。だがプラットホームでの喫煙は今も可能だ。

2010年5月1日に発効した受動喫煙防止法は、職場のほかレストラン、バー、ナイトクラブ、ショッピングセンター、空港、学校、映画館など公共の場での喫煙を禁止している。ただし排気設備のある喫煙室は設置できる。

80平方メートル未満の施設は、州当局の許可があれば喫煙者用の部屋に指定できる(多くの州は認めていない)。

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喫煙ゾーン

だが風向きは変わり始めている。6月からスイス鉄道駅には順次、喫煙ゾーンが設けられる。昨年の試験事業が好評だったからだ。

小さな駅に配慮し、1年の猶予期間が設けられている。来年6月からは指定された場所以外での喫煙が禁止される。スイス連邦鉄道(SBB)は来月4日に禁煙計画の詳細を発表する予定だ。

観光業界の意見は

喫煙ゾーンの設置で観光客が満足するのかは未知数だ。だが喫煙文化への不満にも関わらず、観光客数が順調に伸びているのは間違いない。

スイス観光協会のロベルト・ツェンホイザーン研究補助員は「問題があると認識していなかったため、特段の対策を取ってこなかった。法律を強化するよう連邦・州政府にロビー活動を行ったこともない」と話す。

「個人的には、観光客がスイスに行くかやめるかを決めるのに(喫煙が)影響するとは思わない。もし『スイスはタバコを吸う人が多すぎるからもう二度と行かない』と言う人が実際にいるとしても、ほんのわずかだろう」

ツェンホイザーン氏は、一定の観光客は喫煙ゾーンで満足し、近い将来にさらなる手段がとられることはないだろうと話す。「もし現実に問題が大きくなって、例えばスイスへの観光客が減るような事態になったら、観光協会も手を打つだろう」

失礼で思いやりを欠く

反喫煙団体「プロ・アエレ(Pro Aere)他のサイトへ」のユルク・フルター会長は、喫煙はスイスのイメージを傷つけると強調する。

「今日の先進社会では、喫煙は望まれないうえに時代遅れだ。第三者に影響を与えている場合は失礼で思いやりに欠ける」

フルター氏は喫煙所と禁煙ゾーンの違いをこう説明する。「我々は駅の『喫煙ゾーン』には反対だ。閉ざされた空間で成人しか入れない『喫煙所』は悲しいことだが反対はしない」

スイスで受動喫煙を避けたい観光客へのアドバイスは?「ない。どの施設が完全に禁煙かについて、信頼できる情報を得ることはできない。念を押すが、ホテルやレストランが全面禁煙になるべきとは思っていない。周りに迷惑をかけなければ、喫煙室には反対しない」

喫煙に関する統計

15歳以上のスイス人の喫煙率は27.1%(2017年)。男性31%、女性は23.3%。15~24歳に限ると31.7%だった。

スイスでは年間9500人、1日26人がタバコが原因で死亡している。スイスの喫煙者の死因第1位は心臓疾患(39%)。肺がん(28%)、呼吸器系疾患(15%)、その他のがん(14%)が続く。非喫煙者も含めた全体ではこれらの死因は15%にとどまる。

受動喫煙に関しては、意に反してタバコの煙に1時間以上さらされる人の割合は2002年の35%から17年は6%に減った。

タバコがスイス経済にもたらす損失額は年56億フラン(約6千億円)。医療費が17億フラン、収入減が39億フランに上る。

20本入りのタバコ1箱は平均8フラン。タバコ税による税収は年20億フランで、老齢・障碍者年金の財源となる。

出典:スイス連邦内務省保健局他のサイトへ 

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喫煙 世界のたばこ産業が集まるスイス 規制枠組み条約への対応は?

スイスは世界3大たばこ企業の本社があり、世界保健機関(WHO)のたばこ規制枠組み条約(FCTC)を批准していない国でもある。その一方、ジュネーブでは同条約に関する重要な会合が開かれた。


(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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